2015年4月24日金曜日

今シーズン、目指すジャンプ

3月の宮様大会でぼんやりと感じ始めて、3月末の妙高の大会で試してみたテクニックがある。

特に、空中スピードを上げたいと思っていて、そのために試行錯誤をしてる感じだ。


●空中スピードがほしい
今はテイクオフで腰が後ろに残り、結果としてスキーが立つ。それでエアブレーキを受けてしまい、全く進んでいかない。非効率なジャンプをしてしまっている状態だ。

効率的なジャンプは、空中で速く進んでいく。
そうなるためには、テイクオフで腰の位置を前に進ませることが大切だと思う。

トップ選手は、テイクオフで足を伸ばした際に、足の真上よりも前に腰がある(80°~82°)

しかし今の自分は、良くて足の真上くらい、悪いと後ろだ(90°~100°)

つまり、僕は10°~20°ぶん後ろにいることになる。
前に進むどころか後ろにいるから、空中スピードが上がらない。

そこで、腰を前に進ませようということで、今は試行錯誤をしている。


●試行錯誤(腰を前に進ませる)
腰を前に移動するためには、たくさんの要素が必要だと思う。
①アプローチの滑り方もあるし、②テイクオフの動き方自体も影響するはずだ。

①スタートからの組み方(テイクオフからの逆算)
スタートするときの組み方の発想を変えてみた。

これまでは、演繹的というか、自然とスッと出てた。
何となく出て、重心を何となく拇指球周辺に乗せよう、なるべく低く組もう、って感じだった。

つまり、先のこと(テイクオフとか空中)をあまり考えていなかったかもしれない。

今は、そこから変えてみた。
ベースをテイクオフ動作において、そこからの逆算でアプローチを組んでみたところ、僕は上手くいった。

つまり、テイクオフのときに立ちやすい位置はどこなんだろう。テイクオフでスッと出るにはこの形が動きやすいな、という形で滑ってくるようにした。

感覚的には、スタート後にはまず立ちやすい形に身体をはめることだと思う。(結果として、拇指球に乗っていたり、低いポジションになったりはすると思う)

<ちなみに>
もちろん、動きのベースをどこにおくかについては、さらに先もあるはずだと思う。

アプローチをテイクオフの逆算で組むとしたら、そのテイクオフはどこから逆算したら良いか、ということになる。

きっと空中のマキシマムを一番遠くにするのが正解なんだと思うけど、そこからの逆算でテイクオフの動きがつくられるんだと思う。

今は、テイクオフでは(先の空中を考えずに)ただ足を伸ばしていることが多い。なるべく低くとか。なるべく速くとか。

でも、それも空中からの逆算が出来ていたら、より合理的な動きにしていけるはずだ。これは次の課題。

②無駄のないテイクオフの動き
3月末の妙高では、①で書いたように元々立ちやすい姿勢で滑ってこれていたし、あとはスキーと一緒に、綺麗に前に流れていくイメージで踏み切った。

結果は、やや良くなって、腰の位置が足の真上(90°くらい)にあったと思う。これは良い傾向。

ただし、トップ選手が82°だとすると、もっと前に移動していくことが必要だ。

そのためには、テイクオフでいかに無駄な動きをしないかが大切だと思う。

無駄な動きはブレーキとなり、身体を後ろに押し戻してしまう。
妙高で実際はなかなか思うようにいかなかったが、可能性は感じた。

やりたかった具体的な動き方は、無駄のない静かな動き。

前にパタンと倒れこむ(前にマットが敷いてあるかのように)。あるいは、前にトンと乗っかるだけの感じ。

すなわち、空中フォームをつくるたけで、決して無理に飛び上がらない感じだ。

トップ選手を見ていても、この無駄のない動きを基本としている選手はたまに見かける。

彼らはシミュレーションのときに、まず受け手の上にトンと乗っかるだけの動きを何度かやってみることで、無駄を全て削ぎ落とした、基本のエッセンスだけを残した動きを確認する。その後に、無駄を生じさせない範囲内でフルパワーで飛んでいく形だ。

進んでいくためには、上から下に、後ろから前に、という自然の流れを崩さないことが大切だと、桜井さんが教えてくれた。

桜井さんの言葉をお借りするならば、(自由落下の)ラインをはみ出さないということだ。

上から下へ、後ろから前へという物理法則の流れそのままに、その流れを崩さない動きをしていたい。これは、本当にその通りだと思う。

激しい動きや角のある動きは、ジャンプでは必ずマイナスになる。間違った方向へのパワーであれば、ブレーキを増大させるだけであり、逆効果にすらなりえる。

間違った方向に動くと、自由落下のラインをはみ出してしまう。すなわち、流れにブレーキをかけることになってしまうからだ。

だから、まずはきれいに流れていくラインに乗れることが最優先だと思った。
もちろん程度問題ではあるけれど、パワーを求めるのは一番最後でいいと思った。

桜井さんからは、例え力を抑えてでも、静かに、ラインをはみ出さないように動いていくべきだと教わった。間違った動きをしないこと。無駄な動きをしないことが最優先だということだ。

きっとテイクオフは前にトン、と乗っかるだけでいい。マットに倒れこむだけでいい。決して無理に飛び上がらなくていい。インパクトなんて当面いらない。

流れを殺さないジャンプ。

それが、進むジャンプだと思った。


●今シーズン、目指すジャンプ
今シーズンやりたいジャンプは、
ブレーキのない、無駄のない、ただ静かに前に進んでいくジャンプ。力任せではなくて、方向性が良くて、スーッと低く伸びていくジャンプ。鋭く、低い飛行曲線で、空中後半から浮き上がるジャンプ。

これは、自分がずっと思い描いているジャンプの理想型でもある。船木さんや岡部さん、葛西さん、Kamil Stochの飛行曲線とも言える。

そんなジャンプに少しでも近付きたい。
誰よりも低く、きれいに飛んでいきたい。