2020年11月3日火曜日

10/31-11/1, 2020 妙高(清水さんキャンプ107th)

●清水さんジャンプミニキャンプ107th

10/31, 11/1の2daysで、清水さんジャンプミニキャンプ107thに参加してきました。

世間は4連休な人が多いこともあり、けっこう選手も集まって賑やかでした。

東工大の後輩のあつろうも来ていて、上半身を使わない教科書通りの飛び出しで期待を感じた。

あと個人的に印象に残ったのが、去年のミニキャンプのキャプテンだった九州大の久保田くん。あつろうをそのまま上手にしたような形で、合理的な上半身の使い方(使わなさ)のまま、脚の動きの大きさが出てきていた。このキャンプ中にもジャンプが変わったように見えて、すごいと思った。

その他、平岡さんも動きが大きくなってきて、上り調子に見えた。その他OB組も全体的にみんな調子が良さそうだった。

流れに乗りたい。



●ずっと不安を抱えてる

僕自身はというと、今シーズンずっと続いてる空中分解がやっぱり直らなくて、不安がずっと続いている。

けっこう苦しい。

自分の記憶の中で、アプローチを滑りながら、これはだめだと思って踏み切るのをやめたのは、10年間で2回だけある。

それが2018夏のケガ復帰直後と、前回の練習でのラストジャンプ。

今は、いつ空中分解して転ぶか分からない。どうしてそうなるかも分からない。

危なくて、このままでは飛び続けられないと思った。

この自分が初めて引退を意識した。

この6月くらいは、新ブーツが馴染んできて、もういける、元通りまであと少しと思ったけど、なかなか順調にいかない。笑


●いつも同じパターンで分解

分解するときは、いつも同じパターン。

突然、右スキーが落ちる。

タイミングは飛び出し直後のこともあれば、空中で安定飛行していて突然なることもある。

まるでカカトのビンディングが外れたみたいな感じになる。(実際は外れてない)

再現性があるので、必ず理由はあるはずなんだけど、分からなかった。

一時期ビンディングのせいか?とも思ったけど(過去記事)、完璧に調整したあとも症状は消えなかった。

ぼろぼろだった前回の練習では、さらにこれに加えて、謎だけど空中で右スキーだけV字が閉じてきてしまい、空中で曲がって、そのせいでもバランスを崩す。

もうどうにもならない、と思った。

だから、最後はスタート台でも嫌な予感しかしなくて、滑りながらやっぱだめだと思って、踏み切るのをやめた。

普通は無意識で、安定してまっすぐ飛べるはずが、無意識に頼ることが出来ない苦しさ。

全てを意識して直さないといけないとすると、途方も無くて、やりようが無いように感じた。


●やっぱり脚パワーが大事

右スキーが落ちる原因。

あれこれ時間が経って、現段階では、以下2つの複合要因と推測している。

(1)やっぱり脚パワー(FTMM弱かった)
   -->重要性は言わずもがな。

(2)空中フォーム(カカト幅が狭かった)
   -->狭いとねじれやすい。広いと旋回は止まる。

これまでは、スタンスの広さと脚のグリップ力で支えてたバランスだったけど、今はどっちも無かったのでは?と思った。


(1)脚パワー(FTMM弱かった)

夏頃にもFTMM不足と思って、たしかに脚の筋力落ちたのかなと思って、登山したりしてたけど、結局ここなのかもしれない。

夏以降、FTMMをしっかり出来てはいない、無意識で飛んできてしまった実感もある。

分解したときは、テイクオフの腕の使い方とか、他のことに注力していて、FTMMに気が回っていなかった気もする。
#ケガ前は、脚パワーを入れるのは無意識で出来ていたから、テイクオフに意識を注いでもOKだったけど、今は自分の無意識の動きに頼ることが出来ないのだ。

<脚パワーでスキーを引きつけることの良さ>
・横風耐性UP。
煽られにくくなる
・追い風耐性UP。落ちていくスキーを支えられることで、分解しにくくなる
・向かい風特性UP。吹き上がる風を受け止めて、浮力に変えられる。

ミニキャンプ初日にYMMTが僕と同じパターンの分解をしていて、その原因は本人いわく足首をゆるめたから、とのことだったので、ふと気になり、再度徹底しようと思った。


<マキシマムで脚パワーを最大化する>
僕の場合は、テイクオフで思い切り脚の力を入れようとすると、そこで意識が終わってしまい、空中に出たときに頭が空白になりやすい。

だから、肝心の空中で脚パワーが抜けやすい。

そこで、キャンプ2日目からはテイクオフは通過点、空中マキシマムで脚パワーを最大化するイメージで飛び続けた。


<本当は、空中フォームをつくりにいきたい>
本来なら、マキシマムでは、単に脚パワーを最大化するというよりは、自分の空中フォームをつくりにいきたい。

空中での自分の形、フォームがあれば、それをつくりにいける。

自分の形・・・
・自分の空中フォームのこと。脚は付け根から足首までしっかり力が入った上で、カカト幅、腕の位置、手のひらの向きはこう、と決めた形

・さらに、前傾はこのくらいかかっていて、スキーのこのあたりに風の持ち上げを感じて、足裏にはこのくらいの風圧を感じていて、、といったイメージもセットでついてくる

今は、その形を忘れてしまっている。何年もまともなフライトをしていないので、もう感覚が遠い。。

僕の場合は2015夏に初めて空中の形が出来たけど、それが出来る前の2014は、ひたすらFTMMをしてたと思う。

だから、またFTMMからやり直すことで、もう一度自分の空中フォームをつくりたい。

FTMMを続けて、無意識化されることで空中で余裕が出来て、手のひらやカカト幅の調整が出来た実績がある(過去記事)ので、それをもう一度やりたいのだ。


(2)空中フォーム(カカト幅が狭かった)

<ワイドスタンスで空中を安定させる>
スキーを含めた身体の左右差(骨格の歪みや、V字の開き幅、スキーの面の向きの差など)は、ある程度仕方ないのだけど、空中でのねじれにつながる要素ではある。

このとき、カカトやV字が狭いと、身体がドリルみたいに回転しやすい。左右差がそのまま出てしまう。

しかし、カカトをしっかり広げる、ワイドスタンスにすることで、旋回を止められる。

当たり前だけど、フィギュアスケートのトリプルアクセルみたいに、回転軸の近くに身体を寄せると回転しやすくて、反対に、軸から手足を離すと回転しづらい。

#国内大会を見ていても、2本目に残るような選手でも、カカト幅が狭かったり、スキーのテールがクロスしてる選手は、飛び出し直後などでバラつくことが多かった。

#左右のスキーを平行に揃えて飛んでいたクラシカルスタイルよりも、V字ジャンプの方が旋回防止効果で安定性が増した。左右の揺さぶりに強くなり、多少の横風でも競技が出来るようになった。また、パラシュート効果で落下速度も低下したことで、より安全になった。
#言い換えると、昔の選手はほんとすごい。毛糸帽子だったし。レールもないし。スタートゲートもないし。あれでフライング飛ぶとか。。


<シュノーケルで発見>
先月、石垣島でシュノーケルしながら空中フォームをつくってみたのだけど、何も考えずにつくった形だと、空中分解するのと同じような旋回(=右が下がる回転)が始まった。

たぶん、今の素の身体のバランスがそうなんだろう。

そこでカカト幅を広げると、旋回が止まった。

身体の左右差をなくす、なくした状態を維持し続けることは事実上不可能なので、出来ることをやったら、あとはそれを許容して、左右差があっても大丈夫な形をつくる(=カカト幅を広げる)のが現実的だ。

でも、空中フォーム(カカト幅)の操作は、今はそこまで出来ないや。

ジャンプをしながらだと、FTMMで精一杯。空中でそこまで意図的に制御する余裕を、今の僕は持てていない。

それでも、(自分の場合は)脚パワーを入れれば、自然とカカト幅も連動して広がるので、まずは脚パワーに注力しようと思う。

#ちなみに、シュノーケルはジャンプトレーニングとしてすごく良かった。

実際のジャンプの滞空時間は数秒程度だけど(ミディアムヒルで3秒、ノーマルヒルで4秒、ラージヒルで5秒、フライングヒルで8秒-10秒くらい)、シュノーケルなら水に浮きながら呼吸もできるので、何分でも何十分でもずっと空中姿勢の試行錯誤を続けていられる。

さらに、呼吸もしながらなので、息を止めた場合、吐いた場合など、どう呼吸したら身体の力みをとれるか(=必要なところにしっかり力を入れて、不要なところから力を抜けるか)、も実際に飛型をつくりながら身体に覚えさせることが出来る。

風洞設備は全日本強化指定クラスじゃないと使えないけど、水で試せることは十分あると実感した。

さらに、目の前にサンゴ礁もありサカナも集まって綺麗だし。

海まで行かずに近所のプールでやりたいところだけど、市民プールでずっと動かずに、プカプカとシュノーケルで浮いてるわけにもいかないので、やはり海しかないかな(ogw選手ならやりかねないが)


●出来ることを続ける

原因が分かってきたとはいえ、不安で踏み込めないのは、すぐには変わらない。

まだ、不安はずいぶん残ったまま。

その中で、ミニキャンプ2日目、上述の(1)FTMM、空中マキシマムで脚パワーを最大化するのを実行。

結果として、”形は綺麗だけど、飛距離は伸びないジャンプ”になった。

空中は安定したけど、不安のためテイクオフパワーが弱いのだ。

でも、今はこれでいい。これをしばらく続けていく。

空中安定したジャンプを続けて、スキーへの信頼感を、少しずつ重ねていくしかない。

今は思い切り踏み切れる段階じゃない。

一気に前に進んではいけない。もどかしいけれど、一度後戻りが必要な時期だと思う。


●少し、力が戻る感じ

マキシマムで脚パワーを最大化するイメージは、良かったと思っている。

少しずつ、空中でスキーを信頼できる感じが出てきて、リフトに乗りながら、力が湧いてくる感じがした。力が湧いて、グインと踏み込める気がした。(まだ気がするだけ)

今も、実はそんなに意図的に踏切パワーをセーブしてるわけじゃないのだ。

不安状態だと、普通に踏み切っても、セーブされた力までしか出なくなると思う。(人間の生命維持機能、危険回避機能なのだと思う)

ノーマルな状態なら、普通に踏み切れば10の力を10出せるのに、不安状態ではそれが4とか5になってしまう。

たぶんジャンプを始めて間もない選手が、本人は出来る限りの力で踏み切っているのだけど、実際には少ししか動けないのと同じ状態なのだと思う。

やっぱり、不安がなくなってこそ、身体本来の力を出せる。


●次ToDo

今シーズンのサマージャンプは、来週で妙高はクローズ、翌週に飯山もクローズ。だから、最大であと2回。

<ToDo>これ1つ
・マキシマムで脚パワー全開
   -->これを続けて、空中フォームをつくる。腹筋も合わせて使うと良い。腹筋xFTMM

<プラスアルファ>
・空中くの字型
   -->空中の安定性を補強。追い風耐性UP。

・1番ゲート選手権もやってみたい
   -->思い切り踏み切るために。(思い切りの良い動作を身体に覚えさせる)


ミニキャンプ風景。天気良くて寒すぎず良かった

森井ヒル。降りるときまで脚パワー継続するのがポイント

Team Taku Cupの写真。
妙高の近藤さんにいただきました。飾った。



0 件のコメント:

コメントを投稿