ジャンプ台は、鹿角花輪シャンツェ。ノーマルヒル(K78)をはじめ、4つのジャンプ台が並んでいる。
宿泊施設(アルパス)もついていて、近くに温泉もあるし、合宿にはすごく良い場所。遠いけど。
ちなみに鹿角市は、きりたんぽ発祥の地みたいで、ジャンプ大会があると、大会後に食べさせてくれる。
アルパス:http://www.alpas.jp/

それにしても、こうして合宿とか、日常を離れてみると、、ふと気がつく。
雪の匂い、ひんやりした空気。ジャンプ台。雪かき。スキーウェアの匂い。
こういうリセット出来る場所があるのは幸せだ。
どこかで読んだけど、現代社会のストレスに晒され続けていると、人は本来持って生まれた感性や触覚を退化させていくとのこと。
確かに、都内からジャンプ台付近まで出てくると毎回のように思うけど、新宿の閉塞感は半端ない。
そこにずっといると、本当に心が狭くなる。そして狭くなっていることに、その中にいる自分は気が付けない。
ジャンプ台は自然に恵まれた環境にあることが多い。
夏冬通して、こうしてたまに触れる自然が、一時的ではあっても、自分を閉塞感の外に出してくれている気がする。
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2月の鹿角は、大学生チームがインカレ直前合宿をしていたので、みんなに混じって飛ばせてもらった。
合宿の成果はあった。
いいジャンプ1本出来た。K78の台で、70mくらい。
下川ジャンプ少年団と同じゲートから!
【YouTube】ジャンプトレーニング 201402@鹿角花輪K78
大きなポイントとしては、
だんだん、Gの使い方が、というかGの重要性が分かりかけてきた気がする。
■Gの重要性
テイクオフはGをフル活用することが必須だと思った。
(1)タイミングはGで合わせる(決して視覚情報は使わない)
(2)加圧も、足裏でGがかかっている部分を起点に、長く丁寧に立ち上がる。
⇒おかげで、ストロークが出てきた気がする。足裏の圧を感じる部分を起点にして、カンテに対して脚がスリップしないように、丁寧に、でも思いっきり踏み抜く。
つまり、タイミング、インパクトともに、理想的なテイクオフを行うためにはGが必要だ。
■アプローチでのポイント
よって、テイクオフの準備であるアプローチでの最重要課題は、
(1)まずGを感じられるポジションで滑ること(スキーと一体)
(2)重心位置(Gが主にかかる箇所)をとらえること
となるのは当然だ。
■テイクオフ:長く踏む
Gの重要性を感じたのと連動して、テイクオフで蹴らない、長く踏む、が何となく分かってきた気がする。
長く踏むためのキーワードは、「ブランコの遠心力」と、「バネを限界まで縮めて反発する」だ。
<ブランコ>
ブランコについては、概念的なイメージを持てればいい。
ブランコから飛び出すときは、急に動き出したりしない。急に動くと、力が乱れて、ブランコの座板が揺れてしまい、まともに立てないはずだ。座板を意識せずに、自分の身体だけを単独で動かすとこうなってしまう。
でも実際には、ブランコの遠心力や反動を十分に使って、振り子の流れに逆らわずに、座板の上でしっかり立って離陸している。自分の身体だけじゃなくて、座板の上に乗っていることを認識したうえで、バランスを保って立ち上がっている。
ジャンプも同じでいいはず。座板がカンテに変わるだけだ。
だから、アプローチでスタートするときは、ブランコが振り上がって降りはじめるときと同じイメージでいる。
<バネ>
バネも、感覚的なイメージなんだけど。
ゴムを思いっ切り引いて、テイクオフで離すイメージと言ってもいいかもしれない。
アプローチを滑るにつれてバネ少しづつ縮めていって(足首や腰への負荷をかけていくイメージ)、最後は限界まで縮めたバネを一気に解放するイメージで飛び出してる。
「足で立つ」という基本を思い出そう。
このとき上半身、特に肩は絶対に使わないことが大切だ。
■肩の力は絶対にいらない
今回再度確信したのは、ジャンプで上半身の力は本当に余計だ。特に、肩の力は絶対にいらない。
今回の鹿角花輪で、あらためてテイクオフの方向をあれこれ試した結果、そう実感した。
たとえテイクオフで上方向を狙うにしても、それは脚で踏みつける方向や、フライト姿勢に移行する流れの中で方向性が出てくるのであって、決して肩で上に引っ張って方向を出すものではない。やっぱり脚自体の力で立ち上がるべきだ。肩の力は絶対にいらない。
個人的には、基本の習得としては、Janne Ahonenのマネが最適だ。彼みたいに、腰から先に持ち上がってくるようなテイクオフ動作を目指すべきだと思う。テイクオフの基本とは「脚で立つ」ことだからだ。
■自分の身体とカンテを、ひとまとめの系と考える
また、テイクオフで、初心者から中級者になるにあたって感じておくべきなのは(つまり、ミディアムヒルで50mでは満足がいかず、K点を飛びたい人は)、、
テイクオフは「自分の身体をいかに速く動かすか」ではない、ということ。
自分の身体単独の動きではだめだ。カンテも系に入れてとらえる必要がある。(ブランコの例と同じ。ブランコなら、みんな座板の上で立ち上がれる)
つまり、自分の身体だけを単体で速く動かせば良いのではなくて、まずカンテがあり、それに対して自分の脚を動かして、力を加えることが必要だ。
長く踏む(ブランコにしろ、バネにしろ)ときに、とにかく確実に正しいと感じているのは、
・脚の力をいかにカンテに伝えるか
・カンテを使っていかに高く伸び上がるか
を考えることだ。
これを考えていると、パワーロス(脚のスリップ)がないように、カンテをグインと踏みつけるような動きが出来てくると思う。
「思いっ切り踏み切ろう!」と思っているときは、けっこう危険だ。
ほぼ確実に、頭の中には自分の身体単独の動きを高速化することしかないからだ(つまり、カンテが頭にない)。
さらにこの場合、初心者だと上半身(頭 or 肩)が先に思いっ切り動いて脚がすっぽ抜けて何にもならない。
もちろん、前の記事にも書いたけど、
ジャンプを始めて間もないとき、あるいは調子が落ちていると思ったときは、まずは自分自身の身体をしっかり動かすこと=「脚の力で立つ」ことが必要だ(STEP1)。ここだけでも出来れば相当に強い。(ミディアムヒルなら50mは越えていける)
その次に、K点を越えたいと思ったり、ノーマルヒルでP点以上、ラージヒルも飛びこなしたいと思ったときに、今回みたいに脚力とカンテとの相互作用を考えていけば良いと思う(STEP2)。
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関係ないけど、葛西紀明のマネして飛んだら、タイミング遅れた。笑
アプローチ~テイクオフ~空中の流れは良くなったんだけど。笑
トップ選手のモノマネは、やってみる価値あると思うな。
今回の鹿角もいい合宿が出来た。
立教、TIT、ASIA、一橋、学習院、そしてTouhokuの皆さま、大変お世話になりました。ありがとう。
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