<STEP2>ヒザの角度に出る
あくまで足の力で立ちながら(=STEP1)、ヒザを戻さなくてすむ程度に上半身を解放する。すなわち、多少、飛び出しの方向を上めにする。
ヒザの角度に出るのはすごく難しくて、上半身の解放以外にも、アプローチからテイクオフにかけての重心位置など、さまざまな要素がからむと思う。
なお、ここまでくれば、全日本で2本目進出狙えるレベル。
それもそのはず。持っている足の力の全力で立ち上がり、かつヒザが戻らないテイクオフが出来るのならば、形の上ではトップ選手と何ら変わらない。普通にいくでしょう。
■STEP2の目的
足の力で得た上昇力に対して、カンテや身体への伝達効率を上げていこうということだ。
足の力をカンテや腰に当てるためには、ヒザを戻さないことが必須だ。
だから、「どうやったらヒザを戻さないでテイクオフできるか?」を見つけるのが、STEP2の目的としている。
そのためには、上半身の角度を、自分で馴染むように調整するしかないと思う。
背中が平らなままのテイクオフだと、基本的にはヒザは戻る。
というのは、背中が平らだと、おじぎみたいになって、頭が下がり、腰が後ろにいくから。
ではどのくらい背中を起こせばヒザが戻らずに踏み込めるのかは、一般的な正解はないと思う。(骨格や柔軟性によって異なる)
かなり個人に依存するので、実行上、自分自身で試して、自分自身にとっての正解を、各自で見つけるしかないのだと思う。(自分と似た骨格や関節、筋肉の柔軟性の上手い人がいれば参考にできるが、これだけ競技人口の少ないスポーツなので、直接見れる、あるいは映像を見れるケースは少ないと思う)
なお、岡部孝信、Simon Ammannあたりは、本当にヒザを戻さない。
■インパクト型か、ロスレス型かのセレクト
これは、自分の意志で決めるというよりは、上述の通り、自分の身体が決めることという気もする。
どの程度上半身を解放したら、ヒザ角度に出れるのか。
ここについては、物理学上の正解でどちらかを選ぶより、本人の感覚がハマる方で良いと思う。
■身体能力に合わせた型は
しいて理由を探すなら、、
パワーのある選手:インパクト型
そうでない選手:ロスレス型
がいちおう物理的には正解な気はする。
たとえば僕自身は、やっぱりロスレス型かなと思う。
というのも、トップ選手と比べて脚力ないから、インパクト型にしても、得られるプラスが彼らより少ない。
でも、上半身の面積はみんなほぼ同じだから受けるエアブレーキは同じ。
つまり、マイナスは同じだけあるのに、得られるプラスが少ないわけだ。
逆に、脚力が自慢で、それを活かしたいのなら、上半身は解放気味のほうが活きるのかも。解放することで得られるプラスが他の選手より大きいなら。
今年の髙梨沙羅も、去年と比べるとロスレス型に変えてきてる。
もっとも、彼女の場合は飛びすぎるので、着陸の衝撃を小さくするために飛行曲線を低くする狙いもあったと推測している。
でも、ロスレス型は、彼女の身体能力には合ってる気がする。
本人も「身体能力は普通」と言ってる通り、いくら足の力が伝わったとしても、元の脚力がたいしたことないので、上方向に出てもプラス幅は小さいと判断したのかもしれない。
であれば、エアブレーキを抑えて、速い空中スピード、低いフライトで伸ばしていった方が合っている。
飛距離の減少はさほどないことと、大ジャンプが連発するような試合展開でも、以前よりは安心して飛び出していけるようになる。
■あまり型は考えなくて良い
ただ、実際には、上記の原則には反例も多い。
ワールドカップのトップレベルでも、
Simon Ammann:パワーないが、インパクト型
Gregor Schrierenzauer:パワーMAXだが、ロスレス型
だからこそ、ここはあまり考えなくて良いと思う。
特に、僕らのレベルでは本当にどうでも良い。
ここで悩むよりは、「足を伸ばしきること」をどうにかした方が間違いなくいい。
■実際、STEP1だけでも出来れば相当な力
一緒に飛んでる現役大学生チームでも、これが出来てる選手ってほとんどいないと思う。
今現在の自分も、このSTEP1だけしか出来てない。
ヒザはすごく戻っている。ただし、背中を水平にしたまま、足は思い切り踏み込んで伸ばしている。それだけで、妙高のミディアムヒルならGate20からK点を越えていける。
インパクト型だろうとロスレス型だろうと、
「とにかく足で立つ」
「足の力で立ち上がる」
というのは共通する大原則で、テイクオフで最も大切な基本動作といえる。
だからこそ、STEP1を真っ先に身に付けるべきだと思う。
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