新しいシーズンがスタートしました。
今シーズン最大のテーマは、テイクオフの改良!
そのためには、まずはアプローチでの重心位置を何とかしようと思ってました。テイクオフの動き方自体は、実は二の次です。
●アプローチ良し
アプローチは昨シーズンの最後に葛西選手のスタート方法をマネしてみたところ、上手くハマり、それ以降わりと良く乗れています。
一度ぐぐっと腰を落として、それから上げるスタイル。
葛西ver.では良い重心で組めるというか、これまですごく後ろで組んでいたことに気が付きました。
また、一度良い位置に乗る感覚をつかむと、その後も感覚が敏感になるというか、スキーの真上がどこなのかが感じられるようになってきました。
結果として、カーブのところでグーッとGがかかってくる機会が本当に多くなってきています。
●アプローチでは、パワーを長く蓄える
そしてアプローチを上手く滑れ始めたことで、さらに飛距離を伸ばすコツのようなものも、おぼろげに見えてきた気がしています。
ポイントは、滑りながら、重力のパワーを蓄積していくこと。
最も良かったジャンプの感覚をテキストにしておこうと思います。
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ずっとベストポジションから動かずに滑り続けると、Gの力で身体のバネがどんどん縮められていって、エネルギーがどんどん蓄えられていく感覚になる。
このときの、時間とともに、エネルギーが増大していく感じがすごく大事。
この状態では、ずっと骨盤と足裏にGの重たさを感じていて、そのままカンテに踏み込むと、バネが弾け飛ぶように飛び出せていける。
このときは加速が全く違う。上空を突き抜けて進んでいける感覚がある。
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滑りながら、Gを感じるためにはどこに重心を置けば良いのか、という場所探しをしていたら既にNG。
滑り始めの早い段階で、その場所は見つけて、そこから動かないことが、エネルギーを蓄えるためのポイント。
あるトップ選手が、上手くいったときは、アプローチからテイクオフ、空中、着地まで、ずーっと下を踏み続けている感覚、と言っていましたが、おぼろげに分かり始めた気がします。
もっとも、そんなジャンプはシーズン中に1本あるかないかで、いつもホームランを打つのは至難の技とのこと。
●レジェンドのマネ
今回の合宿では、上記のとおり、アプローチが意外とすんなり上手く組め始めたので、もう1テーマに取り組んでみました。
それは、テイクオフで手を使わずに、その後マキシマムで腕を開く。これも葛西選手のマネですが、純粋に合理的でもあります。
実際試してみても、この手を使わないテイクオフはすごく良いです。
アプローチでGをとらえているからこそ出来るのですが、手を使わないと、エアブレーキがないので推進力が出て、上空を突き抜けていけます。(カンテ付近が追い風でも、あまり気にならなくなる)
●手を使わないテイクオフの良さ2つ
テイクオフで手を使わない良さは、2つある気がしました。
①エアブレーキが少ない(水平方向に進む)
②重心が浮かない(鉛直方向にパワーを加えやすい)
これまで①エアブレーキ=水平方向の進みだけ考えていましたが、②鉛直方向にも影響があると感じました。
手を振り上げると重心が浮いてしまうので、カンテを深く踏み込めない。だから良くないと。
ビデオで、手を使っている・いないジャンプをいくつもループして繰り返し見ると、明らかにテイクオフの加速が違う気がしました。
重心を浮かせずに、きっちり足でカンテを踏み込んで加速するためにも、手を使わずに飛び出したいです。
ここはまだ100%出来ていないテクニックなので、引き続き取り組みたい。
●マキシマムで腕を広げる
上空はテイクオフで突き抜けて、その後の落下のときに、ガチッと飛型をつくって安定したり風をつかまえたいので、飛び出す前にレジェンドのフォームをイメージしておきます。
すると、マキシマムにさしかかったときにちょうどそのフォームをつくれるようになります。
これまでは飛び出しと同時に腕を開いてましたが、今は手を使わずに飛び出して、その後開くことを定着させてます。
●テクニック改良の効果あり
今回、アプローチからテイクオフ、そして空中の腕の開きまでを改善したおかげか、ジャンプの調子は良いです。
体重も筋肉の柔らかさもベストには程遠いのですが、飛距離やテイクオフの形、空中フォームなどは自己ベストに近いです。
妙高K60の20番ゲートなら、無風ないし多少の追い風でもK点付近まで飛べるようになりました。
20番ゲートで強い向かい風が吹いて、大丈夫、65mまでなら立つわと言ってスタートしたら、越えてしまい立てなかった。笑 途中でやめて66m~67mくらいだったかと。
その後18番に下げても、斜め前からの風で63.5m。
従来より、アベレージが+5mくらいの感覚です。
新ビンディングの効果も大きいですが、アプローチの重心やテイクオフの加速で、明らかにこれまでも違う感覚があります。
よって、今回は一時的に調子が良いというよりも、技術自体をしっかり変えた結果だと信じたい。笑
テクニックのどこを変えたかを、自分で具体的に説明出来るので、合理的な裏付けのあるレベルアップと思いたいです。
そしてもし、また歯車が狂ってしまったら、このテキストを読んで、身体もつくりなおして、取り戻したいと思います。
●疲れてくると要注意
しかし、今から注意すべきなのが、疲れてきたとき、ストレッチ不足なとき、体重が変わったとき、筋肉が張ってしまっているときです。
こういうときは、全てが狂ってくる。
アプローチが内股になったり、ハムストリングスの張り=骨盤の返しが甘くなったり、背中が丸くなったり、頭が下がって潜りがちになったりと、悪い兆候が出てきてしまいます。
今回の合宿でも、後日自分の映像をループして見てて気付きましたが、最終日近くはまさに上記の兆候があり、このときはあまり飛べなかった。
1本だけ、目の覚めるようなテイクオフがありましたが、このときだけはしっかりアプローチで骨盤が返ってました。
このように、ベストジャンプには身体の状態も体力的にも、常に一定の状態を保つことが必要で、何ヶ月も、あるいは年間通して状態をキープするのは至難の技です。
それでも平均値、ベスト値ともに良くなってきている実感はあります。
少なくとも手応えはつかみつつあるので、このままモノにしていきたいです。
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