2020年1月26日日曜日

2020.1.17-18 東京都国体予選@鹿角花輪(冬の初飛び)

●鹿角花輪2019

鹿角、行ってきました。

東京都の国体予選参加のため。

<日程>
1/15水~1/16木 AM:夜行バス-->仙台(クルマ)-->鹿角花輪
1/16木 PM:ジャンプスキーのワックス剥がし + 開会式 + ゲレンデスキー
1/17金:公式練習
1/18土:本番(東京都国体予選)

この冬は記録的な雪不足で、年始に予定していたテストジャンプも大会自体が中止。

鹿角で雪上でのシーズン初飛びとなり、かなり警戒してました。


●夏には近い状態

終わってみて、予選は無事通過。

ジャンプ内容も、この夏の終わりに近いジャンプは出来ている。

1年前よりはずっと良い。
まだ本調子とはいかないけれど、このまま続けていけば、何とかなる気がしている。

飛んだ本数は、公式練習3本、本番3本。

<K50 Gate:10(全て同じゲート)>
1/17 公式練習
1st:33m
2nd:38m
3rd:39m

1/18 本番
Trial:41.5m
1st:44m
2nd:45m

●本番2本目、最後のジャンプ。 僅差だったのでテレマークこだわった。コーチボックスからの映像は入手出来ず。

雪不足の影響で、予定されていたノーマルヒルK78から変更され、ミディアムヒルK50での開催。

去年はK78で本番2本だけ飛び降りて、36mと38mだったと思う。


●それでも飛ぶ前は

終わってみれば順調だったけど、初飛びする前は、生きるか死ぬかのところにいた。

去年ほどではないにしろ、技術的な裏付けが全くなく、生きて帰れるかどうかのレベルにいる、と感じていた。

今のブーツと冬用スキーにしてから、一度も滑れないまま鹿角入りしてしまったので、ジャンプの技術以前に、そもそも真っ直ぐ滑れるかすら分からなかった。

ジャンプブーツはハンドメイドで、形が歪んでることもあるし、カカトのビンディングもカーブしてるので、取り付け方によっては、足を真っ直ぐにしても、スキーが真っ直ぐ進むとは限らない。だから、滑りの感覚は飛ぶ前に必ずつかんでおきたかった。

ちなみに去年は、滑りも同じ状況な上、ジャンプがさらにだめだったので、一人コンビニのビールで最後の晩餐をして、辞世の句を残すレベルで警戒していた、、

ただ、去年も今年も、初飛び前日にジャンプスキーでゲレンデを滑ることができて、これが大きな救いになった。


●ゲレンデを滑る(ジャンプスキーで)

これがなかったら危なかったと思う。

スキー慣れはやっぱり大事なので。(過去記事)

ジャンプ台の脇にある、アルペン用のゲレンデをジャンプスキーで滑らせてもらった(ちゃんとリフト券は買いました)

短いゲレンデだけど、それなりに長さはあって、リフトに乗って支柱を10数本は通る距離はある。

5本滑ったけど、1本1本、劇的といえるくらい慣れが進んだ。

1本目:
スキーにエッジがないから太ももが疲れて、ブーツも馴染まず足裏が痛くなって、途中で座って休まないと下まで降りれなかった。

降りたあとは、休憩室にもどって、ブーツを脱いで、10分くらい休憩。太ももの疲れと、足裏が痛すぎた。

2本目:
途中で止まらず滑り降りた。太ももさほど疲れず。足裏はまだ痛かったかな。
休憩室で休む。

3本目&4本目:
三川くん合流で、休憩なしで、続けて2本滑った。

このあたりで、滑るときのコツを思い出した。

身体を谷側に倒す感じ。ただし上半身をかぶせるんじゃなくて、股関節から折りたたむ感じ。するとヒザも自然と曲がる。この形なら、パラレルターンも上手く出来た。ターン中もヒザを曲げたままだと、重心位置を保てて良い感じ。

ここまで来ると、もう明日も大丈夫だと思えた。

5本目:
パラレルグイグイやった、最後はテレマーク姿勢でダウンヒル。

5本で合計1時間〜1時間半くらいかかったかな。


<スキー操作を思い出す:ターンが大事>

ランディングバーンをまっすぐ滑ることは夏でもたまにやるけど、それだとあまりスキーの重心て分からない。

まっすぐだと、後ろに置いていかれたままでも滑っていってしまうから。

だから、ターンしたい。出来るまでやりたい。ターンがないと、ちゃんと乗れてるかどうかって分からない。

曲がるときって、スキーの重心を踏めてないと曲がれないしターン出来るときって、ちゃんとスキーを操作出来ている。

実際に自分のブーツを履いて、実際に自分のスキーで滑ること。ターンすること。

僕にとって、これは本当に生命線と思った。

ただ、来年の冬は、フル参戦とはいかなくても、北海道で多少雪上慣れしてから鹿角に来たい。。さすがにもうこの段階で苦しむのは嫌だ。


<飛ぶ前の新ルーチン>

今回ゲレンデを滑る前は、自分の感覚どおりにスキーを操作出来なかった。

スキーを水平に持ち上げようとしたのに、実際にはトップが下がったりしてた。

ただ、滑るごとに馴染んでいった。

ちなみに、去年の夏から追加してる新ルーチンがあって、
スタートゲートに入る前に、必ず両足とも足踏みというか、スキーを水平に上げ下げしてる。

そこで自分の感覚通りにスキーが水平に持ち上がるなら、安心出来る。もしそうでないなら、上げ下げにより、スキーの芯がどこにあるか、多少は感覚の修正が出来るのだ。

そして、分かった芯の上に乗り、芯を踏み込む。


●冬に至るまでに

日常の合間合間で、ジャンプのイメージづくりをしてた。

スタートゲートに座ったあと、どう動こうか、というイメージを、少しずつつくってきてた。

イメージの材料には、いろんな要素があって、、

それらを順序立てて、ひと繋がりになるように、交通整理する作業が必要になる。

・スタートでの頭の動かし方(頭は前に突っ込ませるくらいじゃないと、後ろ重心になる)
・腰を落とす(頭の位置、顔の向きの適正化)
・空中をつくりにいく(踏んで終わらせず、空中が安定する)
・下に伝える(前に飛び込むと身体とスキーが起きてエアブレーキ)
・テイクオフで手を下げる(ためをつくる、お腹出さない)
・・・

さらに、竹内択選手の、
Gは、重たいというよりも、加速する感じ[YouTube]
骨で乗れていればそうなるのだ。

岡部さんのシミュレーション[YouTube]
グッと股関節で踏み込んでから、股関節で下に押す。
股関節がポイント。
明らかに太ももなんて使ってないのが分かる。

そんなたくさんの要素たちが結びついて、、
試したいイメージが出来てきた。

これまでカンテ前後で2段階だった動きを、3段階にするのが良い気がしてきた。


●アプローチ~マキシマムまでのイメージ

3段階のイメージを試したい。


●これまで:2段階
(1)アプローチ --> (2)空中(マキシマム)


●試してる:3段階
(1)アプローチ -->(2)マキシマムまで踏み込み -->(3)(結果として)空中身体伸びる


<これまでは一直線。だけど変える>

これまで、シミュレーションでもそうだったけど、身体は一直線に伸ばすようにしてた。

空中のマキシマムでは、身体は一直線。これが僕がつくってきたイメージだった。

船木さん、カミカゼ葛西の、スキーの下に顔が出るくらいの前傾を神と崇めてきた僕としては当然と言える。

だけど、そこを変えて、マキシマムでは腰を折った形が良い気がしている。

感覚的には、マキシマムまで下に踏み続けることを続けるイメージ。すると腰を直角に折るくらいの形になると思う。


●空中マキシマムまで、下に踏み続ける

マキシマムでは、下に踏み続ける形をつくりにいく。


●この形を、マキシマムでつくりにいく。下に踏み続ける

<なぜ良いか>

こうすることで、これまで取り組んできてきた、
・下に踏み込むこと
・前に飛び込まないこと
・お腹を出さないこと

これらを、より徹底させられると思った。

身体を一直線に伸ばす飛型をイメージすると、どうしても前に飛び込む動作を誘発する。

それを変えて、しっかり踏み込むことを意識づけたい。

下に踏み込むことの良さはたくさんある。
インパクトアップ、スキー角度を立てない、など(過去記事1)(過去記事2)

また、同じことの別説明として、久之さんからアドバイスいただいた話だけど、モーメント、という考え方があると思う。

<ジャンプのモーメント>

お腹を出すと、逆モーメント、すなわち飛ばないモーメント(=回転運動)を生んでしまう。

正しい(飛べる)モーメントと、逆(飛べない)モーメントがあ

●飛べないモーメント(逆モーメント)。縮こまって、バーーーンと跳ね上げ


●順モーメントはこっち。トップ選手は、例外なくこう。

今回のイメージなら、逆モーメントをなくせると思う。


<ちなみに>

いくらマキシマムで腰を折る形をイメージしても、スピードの中では自然と体は直線に近く伸びていくので(試した)、

結果として、外から見える飛型はあまり変わらないと思う(あくまで、自分の意識付けが変わるだけ)

すなわち、自分の美学に反した飛型にはならないので、笑

気分的にも抵抗なく取り組める。

そして、今になって見ればだけど、57%ルール直後、1994-1995の岡部さんも、これを彷彿とさせる動き方、すなわち、踏みつけに重きをおいた動きをしているように見える

だから、自分的には全く問題なく、むしろ良い感じなのだ。


●感触は良し

このイメージで試してみて、冬の初飛び2本目からテレマークも入ったし、感触は良いです。

テレマークが出来るのは、テイクオフ〜空中の最後まで、脚にしっかり力が入ってきてる証拠。

鹿角での6本では、ジャンプの技術的なところを感知できるほどには、感性というかセンサーが戻らなかったけど、、

本数を重ねるごとに、動きたい形に近づけたり、そもそもの動きの大きさ、ダイナミックさが出てきたと思う。

6本飛んで、もう、思い切りいける。

そんな気もしてきた。

飛ぶ前は、技術以前で、死ぬか生きるかの死活問題だったけど、

一度飛ぶともっと何度も飛びたくなり、テクニカルに追求したくなってきてる。

夏の取り組みの続きと、そこからつくったイメージ
・腰を落として、しっかり踏み込んで、手を下げて、ためをつくる
・マキシマムでも踏み続ける、踏んで終わりにしない

これを続けていこうと思う。


●富山国体は、、

今年の国体、たぶん中止かなあ。

判断は1/28火とのことだけど、現状、予報ともに厳しい。

●富山極楽坂、ジャンプ台付近のライブカメラ映像(link):2020/1/26 14時

中止になったら、同じ日に代わりで、白馬で紅白戦やろっかとか、国体組の仲間と話してました。

ちなみに来年と再来年の国体は、2年連続で鹿角花輪。東京都予選と同じ会場。

鹿角はこの春~秋にかけて、アイストラックに改修されるらしい。

来年は絶好調で乗り込みたい。少なくとも雪慣れはしておきたい。


●1でも2でも4でもなく

今回はアルパス(link)に泊まって、三川くんと同室だった。

彼は大学4年生で、大学から始めたジャンパーの中では後述の山本くんとともに、一つ抜けた強さを誇る。

初めて同室になったけど、ずっと絶えずストレッチをしていたり、練習メモを書いたり見直したりしてた。

そんな様子を見て、若干自画自賛になるけど、いつも一緒にやってる大学生たちの中で、自分と同じくらいの水準で準備をしてる選手って初めてくらいに見た。

やっぱり、飛べる選手には理由があると思った。

それに、チームでの相乗効果というのも、なるほどと思った。

同室にこれだけ準備してる選手がいれば、周りも触発されて、ストレッチやイメージづくり、ビデオでの動作確認など、準備をする方向に誘導されると思う。

こうして良い刺激があれば、プラスの化学反応が起こる。相乗効果はこうやって生まれるんだと思った(もちろん、周りのメンバーに一定以上のモチベーションがあればだけど、、)

彼の自己ベストは白馬ラージヒルで110mくらいらしく、いつかラージヒルでK点連発する合宿をやりたい(いつも通り、ゲートはものすごい上げて、お祭り騒ぎ)

そしてどうでもいいけど、ドライブ中に聞いたら、大学受験の物理では僕と同じ問題集(通称:難系)を使ってた過去があるらしく、親近感。

あと、2日目からは山本くんも合流した。この4月から社会人。

彼のテイクオフは上手い。とても上手い。空中の形も上手いと思う。ラージヒルも難なくこなす。

ただし、最大の特徴は、空中の落下速度。僕や三川くんが軽量級で、空中をグライダー風に滑空するのと違って、彼はまるで隕石のように空から降ってくる。メテオ。ボウリングの球。

しかし、独自のジャンプ理論を構築してるフシがあり、決して侮れない。最新のワールドカップも、趣味もたぶん研究も兼ねてよく見てる様子。

(特に山本についてはめちゃくちゃに書いたけど、)
彼ら二人を見て、ここ数年の東大チームが強かった理由は分かった気がした。



●ブーツ変更に合わせて、冬スキー用のビンディングも付け直した


●鹿角発祥らしい。きりたんぽ(もっと良い写真撮ればよかった、、)


●東京都のみんなと

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