2016年12月31日土曜日

2016飛び納め

士別市朝日町の研修センターに宿泊してます。

●去年よりは良い感じ
冬が始まって、基本的に、去年より調子は良いです。
調子というか、テクニックがいい。

実は、夏の終わり頃はぼろぼろでした。
もう普段の日常から疲れ果てていて、どうにもならなかったです。

眠くて、頭痛くて仕方ない感じだった。老けたなと鏡見るたびに思う感じ。

ジャンプにしても、次飛ぶときの作戦も、頭マヒしてクラクラして考えられる状態でなくて。

ただ存在しているだけで息切れするような感じだった。いくらチョコ食っても、疲れたものは疲れた。

今はそのときよりは環境も落ち着いていて、だいぶ体力も戻ってきました。


●テイクオフが良くなってきた気がする
12/26朝日町の大会で冬の初飛びをして、翌日の下川町の大会では1本良いジャンプが出来ました。

空中後半までフライトを辞めずにガマンして、テレマークも綺麗に決まりました。

その後の下川町でのフリートレーニングでも、たまに良いジャンプが出るようになって、高いゲートですがK点付近まで飛べています。

【YouTube】201612 Yusuke Kitazawa - 下川町K65

テイクオフでの改善があり、加圧時間が少しずつ長くなってきた気がします。これまでの短く蹴っちゃう感じがなくなってきた。

これはジャンプ台整備の雪かきをしているときに、ふとひらめいたのがきっかけなのですが、ここについては自分の備忘録のためにも、またのちほど書きたいです。


●2017年もジャンプを楽しむ
ちなみに、こちらではほとんどテレビを見ることもなく過ごしています。見るとしたら、お風呂のサウナの中に置いてあるのを眺めるくらい。1日5分くらい。

そのせいかあまり季節感がないですが、今日は大晦日なんですね。

しかし2017に年明けをしても、淡々と変わらずに元旦からジャンプです。

年明けの合宿後半は、引き続き下川町でジャンプしつつ、札幌で大会も2つあります。

2017年も楽しみます。


●朝日町研修センタからすぐ近くの道路表示。これ見ると冬合宿に来た、という感じになる。


●大好きな下川町。ナイターを飛び終わったあとの帰り道で。



2016年12月26日月曜日

旭川空港へ

羽田空港に到着しました。間もなく旭川空港に向かいます。

今年も年末年始の北海道合宿の時期になりました。

士別市朝日町、下川町、名寄、そして年明けは札幌へ。今回も楽しみではあります。

全く運動もストレッチもバランスも出来ていないので、身体能力はだめだけど、飛べること自体が楽しみ。

今回の合宿では、身体を動く状態まで戻すのと、雪に馴染むことを目標にします。

もっと高い目標を掲げたいところだけど、今年は直近で環境も変わり、まともにジャンプを飛べる身体の状態ではないので、安全に徐々に馴染もうと思います。





2016年8月26日金曜日

2016夏 蔵王ジャンプ合宿

楽しみにしてた蔵王温泉ノーマルヒル。

この6月にサマーオープンしたばかり。

お盆休みに、いつもの会社員チームで行ってきました。

東京から蔵王まで、多少の渋滞もあり、約6時間のドライブ。

実際に到着してみると、新しいジャンプ台はやっぱり綺麗でした。


●新しいクラレ蔵王シャンツェ。

今、こうして合宿を終えて思うのは、、
蔵王、素晴らしい。

ジャンプ台も温泉も食事も良かった。


●新型ノーマルヒル
助走も着陸斜面も緩やかというのはわりと有名な話で、詳しくはいろいろな紹介サイト参照。

実際に現物を見てみても、横に長いというか、視覚でもはっきりわかる緩やかさ。


●緩やかアプローチ

スロープカーで登りながら見ても着陸斜面は緩やかだし、スタート台からもアプローチがすごく緩やかなのが見て分かった。

アプローチのレールも溝が深くて、初めて見る形。白馬も改修中だけど、メーカーが違うみたい。


●新レール。滑りも軽くて良い感じ。

ランディングバーンも剥がれにくい。

他の台だと転倒するとソーメンが外れてしまうことが多い。

こうなると修復は一苦労で、ブレーキングトラックから外れた地点まで、急斜面を何十メートルも登らないといけない。

さらに、外れたソーメンはパチッとはめ直せばOKなものの、散水されて滑る急斜面にへばりついての作業なので、わりと大変。何箇所も剥がれていると、残りは仲間に任せて途中で離脱したくなるレベルで足も疲れる。笑

その点で蔵王は優れていて、ソーメンを斜面に縫い付けてあるので、構造的にほぼ外れない仕組みになっている。

修復作業が不要になるし、修復による練習の中断もない。ここは良いポイント。

また、着地後のブレーキングトラックも特徴があって、すごい上り坂。

ジャンプ週間のインスブルックみたいで新鮮だった。宮の森も軽く上ってるけど、蔵王はもっと急で短い。

しかし、この上り坂は散水の状況によって、滑ったり詰まったりが劇的に変わるので、警戒が必要と思った。


●飛んでみて
<空中が楽しい>
特に意識が戻ってからの、後半のフライトが楽しい。

低いところから、そのまま斜面と水平飛行しながら伸びていく感じで、大好きな飛行曲線。


●空中ヘルメットカメラより

低空を飛ぶせいか、まるでミディアムヒルみたいな感覚。

そのせいか、さほど飛距離が出た気がしないかもしれない。例えば、同じ85mで着地しても、他のノーマルヒルと比べて、あまり飛んだ気にならないかも。

それでも、低いままグイグイ伸びていく空中は、個人的にはすごく楽しい。

<助走も良し>
助走スピードは、ジャンプ台のプロフィール的に、ラージヒル並に出る設計になっている(87km/h~90km/h)。

さらに、新しいアプローチで抜けが良いので爽快感もある。

この”抜けが良い”ってなかなか伝わりにくいと思うけど、これは飛び出し直前=アプローチの最後部分で、滑りにブレーキが少ない感じのこと。

カンテ付近では、それまで急だった傾斜がほぼ平らになるので、夏の古いレールや、冬で雪が積もったり、気温が上がって雪溶け水が浮いたようなアプローチだと、摩擦抵抗が大きいので、多少のブレーキというか、それに近い感覚がある。これを抜けが悪いと表現することが多い。

でも、蔵王では滑りが良くて、飛び出す直前のほぼ平らな部分でも、最後まで加速していける感じだ。

抜けが良くて爽快。滑っているときの滑走音も、他の台とは違う。

また、アプローチ全体が緩やかなせいか、体感ではそこまでスピードが出てるように感じないと思うので、間もなくラージヒルを飛びたい選手の練習には良いのかも。

つまりは、空中感覚は低空で長いミディアムヒルみたいだけど、スピードはラージヒル並という面白い台。


●難しい台なのだろうか
事前情報として、蔵王は難易度が高い、というのがありました。

すなわち、緩くて長いアプローチなので、カーブ通過のときのGが特徴的に少ないので、Gを使って助走姿勢のハマりを探したり、テイクオフをする選手には違和感があると。

確かに、トップクラスのミクロな感覚を持つ選手だとそうなのかなと思いつつ、正直なところ、僕の感覚ではさほど違和感は感じなかった。

Gが他より少ないと言っても、もともと全ての台で強さは違う。

台ごとにRのきつさが違うので、Gが似た台はあっても同じ台は2つとない。

そして、蔵王もGが少ないだけでゼロではない。

印象としては、普通に飛びやすくて、実際好調だった。

ビデオで見ても、腰の高さなど、アプローチのポジションは合格点だったと思う。

ただ、選手によってはカーブ通過後にいつもよりだいぶ腰を落とされていたので、Gが少ないぶん、乗り遅れていることに気付きにくいという難しさはあるかもしれない。


●テイクオフの課題に取り組む
<頭を固定する>
以前のエントリの通り、テイクオフで頭を固定することをテーマに練習してきました。

上目遣いで目線を固定したまま、目線を切らない。

頭の固定がたまに上手くいくと、飛び出しで素直に進んでいけるのがわかった。

下半身からの持ち上げを、頭の低さでつぶさない感じ。

<ポイントはやはりアプローチ>
それにしても、やはりポイントは前段のアプローチで、無理なポジションから立つときは手を多く使ってしまうし、そのときは一緒に頭も動いてしまう。

パーフェクトな滑りは永遠のテーマですが、自分の身体の構造だとここをおさえればいつも安定する、など、自分のポイントは必ずあるはず。

スタートで背中のラインを斜面と平行にする、顔をしっかり前に向けると重心が前で乗れる、などなど。

しかし、いつもポイントが見つかったと思っても、また程なく崩れてしまう。笑

それでも、さらに新しくハマるポイントを見つけて、今度こそ最終形じゃないかなと淡い期待を持った矢先に、プロのコーチからアドバイスをもらうとまたまた改善点が見つかる。。笑

なかなか1つのベストは見つからなくても、試行錯誤によって、アベレージの完成度は上げていけるはずなので、ここは引き続き模索していきます。


●K点越えたい
今回の蔵王にも、K点越えを目標にしてやってきました。

次は当分来れないし、とりあえず越えとこうと思って。

結果、無事に達成。

胸熱。

ちょうどヘルメットカメラでも撮影出来ました。

今回のジャンプ記録映像をUPします。いろんな角度から撮りました。

【YouTube】20160813_0816 Yusuke Kitazawa - 蔵王HS106


●温泉と食事
宿も素晴らしかった。

●山形県/蔵王温泉 民宿組合
http://www.zao-minsyuku.com
今回は、ここの中から、「どさん娘 蔵王のいえ」にお世話になった。

食事が良くて、部屋も広めに使わせてくれて良心的で、料金もリーズナブルで。

3泊したけど、
夕食はジンギスカン、鍋、しゃぶしゃぶ
毎日違うのを出してくれて、どれも美味しかった。

さらに場所も良くて。
ジャンプ台に近いのはもちろんのこと、ファミマがすぐ近くにあるので、飲み物とかちょっとした買い物をしたいときに便利だった。

そして温泉も良し。
程良い硫黄の香りがあって、ほんのり白いお湯。

また、一度、友人経由の縁があって、「わかまつや」に日帰り入浴したけど、ここはお湯も施設の広さ、綺麗さも素晴らしい。大学生のときにしてたゴージャス旅行を思い出した。

蔵王、良いところ。

毎年お盆は、蔵王合宿を恒例にしたいな。

今回は東北大チームも一部一緒に練習出来て賑やかで良かった。また来年も合流したいな。


●みんなで。東北大チームも一緒に。


●イチローのモノマネ。最近はまってる。。笑

2016年8月18日木曜日

2016夏の札幌②2連戦

2016夏の札幌の、大会期間の思い出です。

8/4(木) AM大倉山公式練習
8/5(金) AM宮の森公式練習
8/6(土) AM宮の森大会
8/7(日) AM大倉山大会

<リザルト>第34回札幌市長杯宮の森サマージャンプ大会
<リザルト>第17回札幌市長杯大倉山サマージャンプ大会


●全体の26位(宮の森公式練習)
大会期間のハイライトはここかなと。

宮の森公式練習で、全体の26位、つまり本番だったら2本目に進めたかもしれないジャンプがありました。

風も良かったし、テクニックも良かった。

良いと言っても、もちろんタイミングは多少遅れてるし、課題の頭のグラつきも残っているけど、この時点で出来る範囲では十分合格点のジャンプでした。

これまでだったら、風が吹いてもだめだったと思うし、大会期間中にお通夜にならずに済んだのは新しい経験でした。



●練習とはいえ、人生初めての30番以内。励みになる。


●宮の森本番
狙い過ぎて失敗しました。。

トライアルで50cm遅れ。本番で1m遅れ。

アプローチは上手く乗れてたけど、そのぶんテイクオフでGの圧力を使おうとしすぎて、タイミングを完全に踏み外し。

踏み切る前にレールが終わって、ガゴンと下がったのが分かりました。

1mくらいの遅れ。
ここまで遅れてしまうと、たとえトップ選手でも飛んでいかない。

この失敗は悔しかった。
前日の感覚からすると、タイミングが合えば2本目いけるかもしれなかったから。

しかし、悔しさを感じられたのは、好調だった証拠。もしかしたらいけたかも、と期待できるレベルまでこれている証拠で、これは新しい感覚だった。

大会期間は一人お通夜とは思わなくていい日が、もしかしたら来るかもしれない。


●大倉山
本番は、不安定な風や気温の高さから、試技キャンセル。

これは衝撃。1本しか飛べなくなりました。

特に試技は本番よりも高いゲートから飛べるので、ぜひ飛びたかった。

本番は(ゲートファクターが採用されない国内戦では)途中でゲートを下げられないので、最初から低いゲート設定になりますが、試技は途中でゲート変更出来るので、高めのゲートから始まります。

つまり本番は、ワールドカップクラスの葛西選手、竹内選手、伊東選手が、向かい風でHSに達することを想定した設定なので、僕に追い風が吹くと完全にノーチャンス。

本番は15番ゲートの86km/h台で飛び出して、かつ上空のエアポケットであっという間に高度を失ってしまいました。もはや空中で気力をなくしたレベル。まさかここまで高度がないとは。

それでも、ジャンプは良かった。
宮の森の修正点だったタイミングはピッタリ合わせることが出来たので、やるべきことは出来たかなと思けれど、、上空の気流はテイクオフで突き抜けられるようになりたい。


●その他
<大倉山の動作解析システム>
以前に故・小野学さんが構築して、北野建設のHPからリンクされていたシステムだけど、その時のまま、大倉山で稼働しています。

2008年頃は宮の森も大倉山もどちらも稼働していたけど、今は大倉山でしか見かけないかな。

テイクオフ、フライトのどちらも確認出来る。飛び終わってすぐに見られるので便利。


●テイクオフのパノラマ


●空中の様子


<朝のウォーミングアップ>
ストレッチは朝起きたあとに宿舎である程度やってくるけれど、宮の森はブレーキングトラックの片隅にストレッチ出来る場所があるので好き。思う存分に身体を伸ばせる。

特にハムストリングスとかの脚まわりは、ストレッチを十分に出来ると脚が軽くなる。

また、宮の森には、クルマを停めるあたりに丈夫な柵があるので、その上で綱渡りみたいにして、バランスの確認も出来る。試技と1本目の間とか、細かな時間でもちょくちょくバランス出来るから重宝する。

大倉山でも控室のトレーニングルームにスラックラインがあるので、これも使える。


●宮の森の片隅でストレッチ


<ひとりだと。。笑>
公式練習になってからは1日3本のみ。

午後は一気に時間が空くかと思いつつ、部屋に戻るとなぜかぐったりで、謎の倦怠感があって。眠気と、お腹がすいたようなすかないような。あまり出かける気にもならず。

それでもと思ってラーメンやスープカレー食べに出かけてみたりもしたけれど、さほど心躍らず。

やっぱり一人だとつまんなかったな。。笑

大会後に、たまたま街ナカで、アメリカから来てた子と仲良くなって一緒にコーヒー飲んだけど、オフの時間で楽しかったのってこのくらい。

英語で話したの久々だったし、話題って国籍問わずに共通だなと感じられて、その点は新しい発見で楽しかった。

その他は、ずっと一人でストレッチするかコーヒー飲んでただけだったな。

いつも会社員や大学生仲間がいたので盛り上がって、お祭り気分で楽しかったんだけれど。来年は誰か誘ってこようと思いました。


●素晴らしい写真たち
飛び続けるにあたって、たとえば札幌に行くのも、写真撮ってもらえるから行きたいって思う部分も大きい。

来年はさらに綺麗に飛びたいと思えるし、自分のジャンプ人生のこれ以上ない記録にもなる。いつもありがとうございます。


●ノーマルヒルでのジャンプ。すごいお気に入り。佐藤さんより


●ラージヒルでのジャンプ。あきこさんより


●ラージヒルでのジャンプ。空中であまりの低さに自分でもびっくり。来年はもっと高く飛んでいたい。佐藤さんより

2016夏の札幌①フリートレーニング

この夏も札幌に行ってきました。

夏の札幌の大会はここ3年ほど続けて出ていて、今回も出てきました。

8/2(火) AM宮の森、PM宮の森、ナイター大倉山
8/3(水) AM大倉山、PM宮の森、ナイター大倉山
8/4(木) AM大倉山公式練習
8/5(金) AM宮の森公式練習
8/6(土) AM宮の森大会
8/7(日) AM大倉山大会

まずはフリートレーニングの思い出から。

●フリートレーニング好き
札幌でいつも思うのは、高めのゲートで飛びたいということ。

実は大会期間中はゲートが低すぎてジャンプにならなくなってしまい、僕にとってはお通夜期間だったりする。

だから夏休みを早めの日程にあてて、公式練習が始まる前の、フリートレーニングの時期から札幌入りしました。

月曜は名寄翌日なので、おそらく飛ばないだろうと踏んで、火曜入りがベストかなと思って、そうしてみました。


●アドバイス(顔の面を固定する)
FITチームで練習する中で、船木さんに自分のシミュレーションを見ていただき、アドバイスもいただきました。

未だに、シミュレーション(=テイクオフ)の動き始めのときに、まず顔の向きを上に変えて、顔で引っ張り上げる動きになっていると。

つまり、1)顔の引っ張り上げ、2)足の伸びの2段階動作になってしまっていると。上体始動ともいえる。

これは確かにそうで、昔からの悪いクセ。
理想は、顔の面を変えずに、足だけで一発で立ち上がりたい。

実際、船木さんはじめ、チーム船木のどの選手のシミュレーション、テイクオフを見ても、顔の面が全く変わらない。そのまま飛び出していく。

そして船木さんのシミュレーションを見ていて思うけど、いつも魔法みたいな感じがする。

今までアプローチを組んでいたのに、気付くと遠くにいる。

アプローチを組む姿を見ていても、テイクオフでふと見失ってしまい、気付くとずっと先で飛行姿勢に入っている。目で追いかけられないはずがないのに、一瞬見失ってしまう。

魔法というか、すごく不思議な感じ。

とにかくスッと、スムーズに進んでいく。ムダな抵抗がない感じがする。

国体予選のときに毛利さんのシミュレーションを見たけど、そのときも同じ印象だった。

きっと、頭を固定して動かさないことが、前に進んでいける秘訣なんだと思う。

それもそのはず。
頭は身体のパーツの中ですごく重たいので、重たいものが先端でグラグラしてたら前に進んでいくはずがない。

では、どうしたらその動きが出来るのか。

これについても、きっと体験した人でしか語れないであろう、具体的なアドバイスをもらった。

<上目遣いにする>
アプローチでは、ジャンプ選手全員が多かれ少なかれ上目遣いにしていると思うけど、その本当の理由は知らなかった。

上目遣いにする理由は、目線が固定出来るから。

目が真ん中だと、上下に動いちゃう。
上目遣いだと、それ以上いかないから、固定出来る。

動かさない分、まっすぐ前に進める。

安定して飛べるトップ選手たちは、ずっと上目遣いで目線を固定して、まばたきもしないから、テイクオフ前後でほとんど映像が途切れない。ほとんど見えているとのこと。

ここは、本当に取り入れたいポイントです。

次に予定している蔵王合宿ではここをテーマにしようと思いました。


●空中の安定
ここは妙高での練習から自信を持ってたところで、杉本さんからも、今堀先生からもそう言ってもらえました。

数年前と変わってスキーのバラつきも減り、大きな台や多少の風でも、安心して見ていられると。

空中は最近新しい感覚を得ていて、空気のフトンに倒れ込む感覚。身を委ねてしまっていい感覚。足だけ力が入って、それ以外の身体の力が抜けてる感覚。これが良い感じです。

【YouTube】直近の妙高でのジャンプ(7/30-7/31, 2016)
たまに正面アングルを仲間と交代で撮り合って、空中フォームの確認をしてます。


●ナイターの大倉山
今回は、ナイターの大倉山も初めて飛ぶことが出来ました。

ジャンプもそうだけど、スタート台からの夜景が本当に綺麗で。。

<Google画像検索>大倉山展望台からの夜景たち

火曜の初日は通り雨や夕立がけっこう続いたけど、水曜は澄んだ空で、最高の夜景でした。

大倉山からの夜景は、札幌市街を一望出来ます。大通りの真っ直ぐな通りも良く見えて、テレビ塔も見える。すすきの付近は光が集まっていて。。

夜は観光リフトクローズなので、普段はこの景色はナイターを飛ぶ選手だけの特権なのかもしれないですが、あれはもったいない。

あの素晴らしい夜景は、見たら嬉しくなる人がたくさんいるだろうなと思いました。

ジャンプも、1本良いのがありました。
いつも死ぬほど遅れるタイミングがほぼ合って、スーッと進んでいけました。

【YouTube】Yusuke Kitazawa - 2016 summer at Sapporo HS100/HS134


●写真:ナイターの大倉山

次エントリでは、大会期間の思い出いきます。
2016夏の札幌②2連戦

2016年7月25日月曜日

妙高ノーマルヒル・シーズン初飛び(7/23-24, 2016 )

来月の札幌2連戦に向けて、今シーズンのノーマルヒル初飛びしてきました。

楽しかった!

先週までボロボロで、今のテクニックで大きな台を飛べるのか?と正直思っていましたが、なんとか飛べました。

久々のノーマルヒルは、やっぱり楽しかったです。

空中後半の感覚が素晴らしい。

ミディアムヒルと比べると、当たり前ですが、空中で意識が戻ったあとの時間が長いです。

ミディアムヒルにはなかったステージが、空中後半でもう1ステージある感じがします。

飛び出して、視界が開けて、、
そのときから、身体全体、スキー、広げた手のひら全体に風圧を感じながら、K点に向かってゆーっくり降りていく感覚。。

これが、本当に心地良いです。

身体にかかる風の感覚であったり、足裏の、スキーでとらえた浮力を全て受け止めて、空気を踏みつけているような感覚であったり。

空中では、足だけはガチッと力を入れて固定しますが、感覚的には、空気に身体全体を委ねている感じです。

空中後半は何だか幸せな感覚さえ感じます。

何というか、1日が終わって、フトンにぼふっと倒れこんでいい感覚に似ている。笑

本当に全てを投げ出して、なすがままに、空気に身体を委ねてしまっていい安心感というか。

前にも行かず、後ろに反るでもなく、自然のままに倒れこんで、それを風のフトンが受け止めてくれる感じ。

これは、ノーマルヒル以上の大きな台独特の空中感覚かもしれません。

やっぱりこういう体験が素晴らしくて、、つくづく、ジャンプは楽しい。

こうなってくると、はやくラージヒルも飛びたくなります。

ゲートなんか何でもいいから、今年は130m飛びたい。どうせならHSの131m飛びたい。

今週のムービー(ヘルメットカメラあり)
●20160723_0724 Yusuke Kitazawa - 妙高K90

まだまだアプローチで乗り遅れがあって、そのぶんタイミング遅くて、スキーを立ててしまってる。だから、前傾が浅い。

特にタイミング遅れは、1m以上の遅れもあってけっこう笑えない。

あと、ヘルメットカメラでK点付近まで飛んだんだけど、曲がってつけちゃったみたいで映像ナナメ。。笑

引き続き、楽しんで飛びます。


写真①:妙高ノーマルヒル。空中楽しかった。


写真②:ヘルメットカメラ、ナナメにつけちゃった。。

2016年7月21日木曜日

妙高(7/16-18, 2016 )

7/16-18の3連休は、妙高で大学生と一緒に、清水久之さん率いるジャンプミニキャンプに参加してきました。

平成6年から始まり、もう20年以上の歴史があり、今回は第90回目の記念となる回。

このキャンプでは、大学になってからジャンプを始める選手たちに対して、久之さんがコーチングしてくれる。

さらに記録会も複数回あって、これが程良いプレッシャーもあり、楽しい。

記録会は、単純な飛距離だけではなく、ルールを工夫して、全員にチャンスがある形式で行われる。

いくつもルールがあるけど、たとえば、事前に自分で指定した飛距離に対して、実際に飛んだときの誤差を競うターゲットジャンプなど、初心者でも勝つチャンスがある。それをチームを組んで団体戦で競うからさらに盛り上がる。

参加メンバーも楽しみながら、ベース技術を身につけられる。


●飛べなくなってしまった、笑
今年は、GWのシーズンスタートから好調だなと思ってたけど、一気に絶不調になってしまった。笑

アプローチがどうしても上手く滑れない。笑

カーブに差し掛かっても全くGを感じることが出来ずに、後ろに引かれた重心位置で滑らされてた。

記録用に、調子悪いときのムービーをUP
【YouTube】201606-07 Yusuke Kitazawa - 飯山K60/妙高K60
アプローチの形が丸くて、鋭さがないと思う。

本当は、身体をバネみたいに使うために、ハムストリングスがグッと張っていないといけない。このビデオみたいに丸いと、ゴムがゆるんでる感じだ。これではバネが使えない。


●高いゲートでリハビリ
あまりにも飛べなすぎるので、普段なら飛びすぎて出れない25番ゲートまで上げたけど、それでようやくK点前後。

見た目にはわずかでも、ジャンプの質にはめちゃくちゃ違いがある。絶不調。

GWで3歩進んで、その後100歩くらい戻った感じだ。

それでも、K点まで飛ぶと、空中で浮く感じがあり、良い感覚を取り戻せた気はした。十分に飛距離が出るので、苦しさがないというか、リラックス出来る感じだった。


●アプローチがどうにもならない
ビデオを見ても、アプローチで悪いところが無数に見つかる。
・背中丸い
・内股
・肩が力む
・腰が後ろ
・だから取り返そうと、頭を前のめりにする
・結果、頭が下がる

頭が下がると、テイクオフが一発で決まらない。頭の上げから始まり、ようやく足の伸びという、2段階のテイクオフになってしまう。

これでは当然タイミングも、飛び出す方向性も、ブレが大きくなってしまう。

何より、重心が後ろなので、まともにカンテを踏み込めない。すると、空中で進んでいかない。高さもとれない。

また、重心が後ろで腰が落ちた状態からでは、まともに立ち上がれない。

その状態から無理に立つから、手も振り上げてしまうし、身体も力んで、空中で突っ立ってしまう。結果、懐のゆとりもなく、空中すごく苦しいジャンプになる。

全ての悪の元凶はアプローチにある。

正直、陸上で組んでも上手く組めなかった。

どうしても、ハマる形で組めなかった。

ストレッチ不足なのか。変に筋肉も張ってしまっていたりして、いくらストレッチしてみても、どうにもなかなかった。

7/16,17,18の3連休の最終日に、ようやく身体がジャンプに慣れてきたのか、やっと地上でピタッとハマる形で組めるようになり、わずかに良くなってきた。

ミディアムヒルでのGが、仮に20kgくらいの重たさだとすると、最終日ではそのうち5kgくらい感じられただろうか。少しだけど、じわ~っと重たさを感じられ始めてきた。

また早く飛びたい。

今年はまだノーマルヒルを1本も飛んでいないので、札幌に行く前に飛んでみる予定!



2016年5月20日金曜日

2016GW妙高合宿 - テクニック編

新しいシーズンがスタートしました。

今シーズン最大のテーマは、テイクオフの改良!

そのためには、まずはアプローチでの重心位置を何とかしようと思ってました。テイクオフの動き方自体は、実は二の次です。


●アプローチ良し
アプローチは昨シーズンの最後に葛西選手のスタート方法をマネしてみたところ、上手くハマり、それ以降わりと良く乗れています。


一度ぐぐっと腰を落として、それから上げるスタイル。

葛西ver.では良い重心で組めるというか、これまですごく後ろで組んでいたことに気が付きました。

また、一度良い位置に乗る感覚をつかむと、その後も感覚が敏感になるというか、スキーの真上がどこなのかが感じられるようになってきました。

結果として、カーブのところでグーッとGがかかってくる機会が本当に多くなってきています。


●アプローチでは、パワーを長く蓄える
そしてアプローチを上手く滑れ始めたことで、さらに飛距離を伸ばすコツのようなものも、おぼろげに見えてきた気がしています。

ポイントは、滑りながら、重力のパワーを蓄積していくこと。

最も良かったジャンプの感覚をテキストにしておこうと思います。

--
ずっとベストポジションから動かずに滑り続けると、Gの力で身体のバネがどんどん縮められていって、エネルギーがどんどん蓄えられていく感覚になる。

このときの、時間とともに、エネルギーが増大していく感じがすごく大事。

この状態では、ずっと骨盤と足裏にGの重たさを感じていて、そのままカンテに踏み込むと、バネが弾け飛ぶように飛び出せていける。

このときは加速が全く違う。上空を突き抜けて進んでいける感覚がある。
--

滑りながら、Gを感じるためにはどこに重心を置けば良いのか、という場所探しをしていたら既にNG。

滑り始めの早い段階で、その場所は見つけて、そこから動かないことが、エネルギーを蓄えるためのポイント。

あるトップ選手が、上手くいったときは、アプローチからテイクオフ、空中、着地まで、ずーっと下を踏み続けている感覚、と言っていましたが、おぼろげに分かり始めた気がします。

もっとも、そんなジャンプはシーズン中に1本あるかないかで、いつもホームランを打つのは至難の技とのこと。


●レジェンドのマネ
今回の合宿では、上記のとおり、アプローチが意外とすんなり上手く組め始めたので、もう1テーマに取り組んでみました。

それは、テイクオフで手を使わずに、その後マキシマムで腕を開く。これも葛西選手のマネですが、純粋に合理的でもあります。

実際試してみても、この手を使わないテイクオフはすごく良いです。

アプローチでGをとらえているからこそ出来るのですが、手を使わないと、エアブレーキがないので推進力が出て、上空を突き抜けていけます。(カンテ付近が追い風でも、あまり気にならなくなる)


●手を使わないテイクオフの良さ2つ
テイクオフで手を使わない良さは、2つある気がしました。

①エアブレーキが少ない(水平方向に進む)
②重心が浮かない(鉛直方向にパワーを加えやすい)

これまで①エアブレーキ=水平方向の進みだけ考えていましたが、②鉛直方向にも影響があると感じました。

手を振り上げると重心が浮いてしまうので、カンテを深く踏み込めない。だから良くないと。

ビデオで、手を使っている・いないジャンプをいくつもループして繰り返し見ると、明らかにテイクオフの加速が違う気がしました。

重心を浮かせずに、きっちり足でカンテを踏み込んで加速するためにも、手を使わずに飛び出したいです。

ここはまだ100%出来ていないテクニックなので、引き続き取り組みたい。


●マキシマムで腕を広げる
上空はテイクオフで突き抜けて、その後の落下のときに、ガチッと飛型をつくって安定したり風をつかまえたいので、飛び出す前にレジェンドのフォームをイメージしておきます。

すると、マキシマムにさしかかったときにちょうどそのフォームをつくれるようになります。

これまでは飛び出しと同時に腕を開いてましたが、今は手を使わずに飛び出して、その後開くことを定着させてます。


●テクニック改良の効果あり
今回、アプローチからテイクオフ、そして空中の腕の開きまでを改善したおかげか、ジャンプの調子は良いです。

体重も筋肉の柔らかさもベストには程遠いのですが、飛距離やテイクオフの形、空中フォームなどは自己ベストに近いです。

妙高K60の20番ゲートなら、無風ないし多少の追い風でもK点付近まで飛べるようになりました。

20番ゲートで強い向かい風が吹いて、大丈夫、65mまでなら立つわと言ってスタートしたら、越えてしまい立てなかった。笑 途中でやめて66m~67mくらいだったかと。

その後18番に下げても、斜め前からの風で63.5m。

従来より、アベレージが+5mくらいの感覚です。

新ビンディングの効果も大きいですが、アプローチの重心やテイクオフの加速で、明らかにこれまでも違う感覚があります。

よって、今回は一時的に調子が良いというよりも、技術自体をしっかり変えた結果だと信じたい。笑

テクニックのどこを変えたかを、自分で具体的に説明出来るので、合理的な裏付けのあるレベルアップと思いたいです。

そしてもし、また歯車が狂ってしまったら、このテキストを読んで、身体もつくりなおして、取り戻したいと思います。


●疲れてくると要注意
しかし、今から注意すべきなのが、疲れてきたとき、ストレッチ不足なとき、体重が変わったとき、筋肉が張ってしまっているときです。

こういうときは、全てが狂ってくる。

アプローチが内股になったり、ハムストリングスの張り=骨盤の返しが甘くなったり、背中が丸くなったり、頭が下がって潜りがちになったりと、悪い兆候が出てきてしまいます。

今回の合宿でも、後日自分の映像をループして見てて気付きましたが、最終日近くはまさに上記の兆候があり、このときはあまり飛べなかった。

1本だけ、目の覚めるようなテイクオフがありましたが、このときだけはしっかりアプローチで骨盤が返ってました。

このように、ベストジャンプには身体の状態も体力的にも、常に一定の状態を保つことが必要で、何ヶ月も、あるいは年間通して状態をキープするのは至難の技です。

それでも平均値、ベスト値ともに良くなってきている実感はあります。

少なくとも手応えはつかみつつあるので、このままモノにしていきたいです。







2016年5月11日水曜日

2016GW妙高合宿 - 新マテリアル編

今年のGWは約1週間まとまって集中的に飛べる機会だったので、新しいことを試すには最適でした。

また、新しいシーズンなので、いろいろ新しい道具もテストしてみたいという興味・好奇心もあり、スキーとビンディングを変えてみました。


●スキーをELANからFISCHERに
まず、スキーをチェンジ。
愛用してきたELANも好きだったけど、これまで他のメーカーのスキーを使ったことがなかったので、FISCHERのスキーを譲ってもらえたこともあり、試してみました。(高翔会の讃良さん、ありがとうございます)


●柔らかくてペラペラ!!
履いた瞬間の感覚としては、これまで使っていたELANと比べると、ペラいというか、柔らかくてペラペラしている印象でした。

だからスキーに対する信頼感があまりなくて、空中でこのスキーに身体を委ねて大丈夫かな?と思ったくらい。


●身体にフィットしやすい
実際に飛んでみると、FISCHERは空中でスキーが身体につきやすいと話できいていた通り、簡単にスキーと身体の一体感を感じました。

このぶん、空中でのフィット感はあります。

ただ、身体にスキーがピタッと付いてくるぶん、空中スピードは少し遅い感じがあり。ELANの方が速い感じがしました。

ELANの傾向としては、テイクオフ直後はスキーが寝たまま進んで、空中後半でスキーが上がってきます。

そのぶん空中スピードは速いけど、きれいに飛ばないとスキーが身体についてこないというか、少し扱いが難しくて、ストイックな感じです。

おそらくSPORT2000(=Fluege)はもっとその傾向が強いのかなと思います。


トータルとして、FISCHER大好きとまでは思いませんでしたが、そんなに悪い印象もないので、ビンディングの付け替えも大変だし、とりあえずこの夏はこのまま行ってみようと思います。


●トップ選手は独自のチューニングあり
ちなみにですが、トップ選手は自分好みにスキーの上がり方をチューニングしているので、上記メーカー別の一般論はあてはまらないです。

例えば、岡部選手が使っていたFISCHERを持たせてもらったことがありましたが、重さのバランスがすごくトップ寄りにあって、スキーが立ちにくいチューニングになっていました。自分のスキーの感覚で普通に持ってみたら、トップがカクンと下がってびっくりしました。

このスキーだと、わずかでも前に行き過ぎると、前に刺さってジャンプにならなくなってしまうけど、きれいに立てば、スキーが立たずに空中スピードが上がって、かつスキーと身体の一体感もあるという、スレスレのバランスなんだと思いました。(推測だけど)

また、葛西選手のFISCHERも、あれだけタイミングが遅れてもスキーが全く立たないのはちょっと異常だと思っていて、岡部さんと同様、もしくはそれ以上に重心をトップ寄りにしているのではと思います。あるいは、スキーを立たせない彼独特のテクニックがあるのかもしれないけど。


●ビンディングも新型に
そしてビンディングも変更しました。
カカトがスティックではなくて、滑車ぽいタイプ。新型。
http://carbon.slatnar.com/bindings/air-binding-sets/air-long-carbon-set.html



●気に入った!!
先に結論書いちゃいますが、これはいい、すごくいい。
無風が向かい風に変わる感じ。


●道具選択には検討が必要
この新型ビンディングのヒールパーツの傾き角度は、3つラインナップがあって、12°、16°、20°から選べます。

僕は傾き最大の20°を選んでみました。

新しい道具の選択にあたっては、一番早くて正確なのは実際にその道具で飛んでみることですが、そういう状況にはなかなかなりません。

ジャンプ道具はそこらへんのスポーツショップに売ってるわけでもないし、ビンディングは取外しや取付けに何時間もかかるし、スキーごと借りようとしても個人毎に長さが違うし、ブーツの大きさが違えばビンディングの位置も合わないし、、

よって、不明点がありつつも、いろいろな予想をしたり、使っている選手に聞いてみたり、最後はある程度割切りをしながら選ぶことがほとんどです。

例えば今回のビンディングも、ヒールパーツの傾きを12°、16°、20°の3種類からどれにしようか?という選択がありました。

僕は傾き最大の20°を選びましたが、あれこれ考えてみて、決めたのがこれでした。


●メリット
傾き20°のメリットは明快で、浮力UP、安定性UP(=横風耐性UP)の恩恵を最大に受けられる点です。

傾きの角度が大きいほど、スキーの滑走面が空中で下を向くので、前からの風をつかまえて、横からの風を受け流せます。


●デメリット?
しかし一方で、懸念もありました。
テレマークの難しさです。

ヒールパーツの傾きが大きすぎると、着地が難しいのでは?と思っていました。

この新型ビンディングだと、ヒールパーツが曲がっているため、カカトを上げても真っ直ぐには上がらずに、ビンディングのカーブに沿って内側に傾いて上がることになります。

すなわち、テレマークでカカトを上げたときに、強制的にヒザが内側に入る=X脚にさせられる状態になります。

よって、ヒールパーツの傾きが大きいほど、ヒザが大きく内側に入り、そのぶん足裏が外を向くことになるため、スキーが外に流れやすい傾向があると思いました。

例えば、かつてあれだけテレマークが上手だった葛西選手ですが、ソチ前後の時期は、後ろにした左スキーが外に流れる状態が続いていました。これも、カーブしたビンディングの影響では?と思っています。(この点は葛西選手本人も課題視されていて、ソチの翌シーズン終盤あたりから徐々に改善され、きれいに決まるようになってます。飛型点20点も出てました)


●僕には当てはまらない
しかし、このテレマークについての懸念は、僕にとっては幸か不幸か、あまり影響しなそうに思えました。

というのも、僕はもともとX脚気味というか、テレマークのときに後ろの足のヒザが内側に入りがちなので、自分の身体構造的にはあまり問題ない気がしました。

よって、思い切って最大の20°のビンディングを使ってみようと思いました。


●テストでは、極端なことをやるのが一番
また、いずれにしろ最大の20°がこのビンディングの良し悪しを一番感じやすいと思ったので、ハッキリさせようとして選んだ部分もあります。

基本的に、何かを試すときは、極端なことをやってみると一番ハッキリ分かりやすいと思うので、今回もそうしてみた感じです。


●実際に飛んでみた印象=素晴らしい!!
実際に飛んでみると、上手く予想がはまり、幸いにも、メリットは最大限感じて、デメリットは感じませんでした。

まずメリットとして、空中後半で、これまでに感じられなかったスキーの持ち上げがありました。

飛び終えてジャンプ台を振り返ってみると、吹き流しはだらんと下がっていて無風。それなのに、まるで向かい風を受けたような感覚がありました。

フライト終盤の風圧=持ち上げの感覚が全く違います。

ただ、これは別要因も含まれているかもしれません。

最近アプローチが良くなっているので、連動してテイクオフの方向が良くなり、飛び出しでスキーをあまり立てなくなったので、後半浮き上がる飛行曲線になっただけかもしれません。しばらくしたら、元のビンディングがついたELANで飛んで、確かめてみようと思います。

また、テレマークも全く問題なし。
むしろ、合宿中は自分史上最高のテレマークを連発出来た気がします。

結論として、この20°の新型ビンディングはかなり気に入ってます。おすすめ。


●余談:スペアパーツ
ちなみに余談ですが、ビンディングのカカトとブーツをつなぐためには、以下の写真のようなヒールクリップを使います。飛ぶ前に、このクリップをブーツにパチっとはめて、飛び終わったら外します。



このヒールクリップは消耗品なので、スペアが必須です。

着脱のたびに摩擦ですり減ってくるため、使っているうちにブーツから抜けやすくなります。もし空中で外れたら、、、とかは考えたくもない。

ビンディングの新規購入にあたっては、当然このクリップのスペアも同時購入するのですが、今回WEBカタログにスペアが見当たりませんでした。

そこで、昔から地味に鍛えてきた語学力と、会社員ならではの交渉力を活かして、スラトナーと会話をしてみました。

既存のスティックタイプ用のクリップと共用出来るのか?あるいは別途専用のスペアが必要なら、ストックはあるのかと。

すると最初は、モノはあるけどカタログには載せてないので、注文時の備考欄に書いてくれとの返事が返ってきました。

しかし、そのうち気が変わったのか、WEBに追加したよと言って、以下のページをつくってくれました。
http://carbon.slatnar.com/bindings/spare-parts/rear-binding-foam/air-clips.html

WEBカタログにラインナップされていると、他の購入者にも分かりやすいかなと思います。

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次回は2016GW合宿のテクニック編です!