2014年1月26日日曜日

テイクオフのスキルアップ-STEP1(part1/2)

大人になってからジャンプを飛び始める選手は、一般的には、なかなか上達に苦労する。

ジャンプ少年団の選手たちが、難しいテクニックを自然となんとなく身につけてしまうようにはいかない。
言語習得と同じで、ジャンプ少年団がネイティブ・スピーカーだとしたら、僕らは大人になってから英語を学び始める日本人なのだ。

でも、そんな僕らに合った、スキルアップのための一定の道筋は見い出せてきた気がする。

まずはテイクオフについて。
スキルアップのガイドラインを、STEP1~2として、以下にまとめてみた。

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【テイクオフのスキルアップ】
<STEP1>上半身を動かさず「足だけ伸ばす」を徹底させる
<STEP2>ヒザの角度に出る
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なお、ここではテイクオフについて書いているので、前提として、アプローチがある程度滑れていてほしい。

アプローチでのポイントは、いくつかある。
ちゃんとヒザが深く入っているか、重心を拇指球付近に置けているか、腰や頭の高さが適正か、腰や首付近に丸みがないかなど。これらは、また別の機会に書きたい。(誰か書いて)


<STEP1>上半身を動かさず「足だけ伸ばす」を徹底させる

■STEP1の目的
このSTEP1の本当の目的は、とにかく「足で立つ」こと。
ジャンプのテイクオフの基本は、とにかく足から力を出して立ち上がることだ。

はじめから、テイクオフで思い切り動ける選手はまずいない。
大学以降からジャンプをはじめる選手は、アルペンスキー経験もあまりないことが多い。きれいにジャンプを飛ぶ以前に、助走路をまともな姿勢で滑ったり、着陸後のブレーキングさえままならない場合がほとんどだ。

だから当然、不安がある。
慣れの少なさ、恐怖感、安心感のなさ、踏み切って本当に大丈夫か?という不安。

さらに、ご存知の通り、スキージャンプの助走スピードはかなり速い。僕らがトレーニングに使うのは主にミディアムヒル(K60)であり、ワールドカップやオリンピックで使われるラージヒル(K120)、ノーマルヒル(K90)と比べて小さめだけど、それでも助走スピードは70km/hを越える。高速道路の走行に迫るスピードだ。

アプローチを滑ってきて、テイクオフにさしかかっても、スキー経験も少ない状態で、飛び出すことへの不安を抱えながら、相当に速いスピードの中で、何の支えもない空中に、ためらいなく思いっ切り飛び出していくことなど出来るはずがない。

ジャンプを始めて1年以上過ぎても、テイクオフで思い切り足を伸ばしきれる選手はあまりいない。
誰でも次第にスピード慣れはしてくる。でも、足はなかなか動いてこない。
足が動かず、かわりに無意識のうちに上半身が立ち上がって、余計に足の力が伝わらなくなってしまう選手もいる。

でも、ここは避けては通れない。
ジャンプで長距離を出すためには、テイクオフで思い切り良く、足の力で立ち上がることが必須だ。

これが出来ないときは、ジャンプはまだ楽しくならない。飛距離が出ないので、楽しくなってこないと思う。
逆に、これだけでも出来れば、大人からはじめた組の中では圧勝する。そのくらい、効果は大きい。

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STEP1 part2に続く。

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