2020年12月7日月曜日

引越し前の長野で

明日から東京に戻ります。

約8ヶ月の長野生活が終わり、元の生活に戻ります。

自由時間は多少減ると思うけど、通ってたジムにもまた行けるようになるし、時間を上手くやりくりして、動ける身体づくりというか、ジャンプの準備を進めたいと思っています。


●旅行してきた

先月は、今回の長野生活が終わりに近づいたこともあり、家族で旅行してきました。

湯田中のよろづや(link)
元全日本ジャンプチームのヘッドコーチ、小野学さんのご実家で、ずっと行ってみたかったところ。


館内にある小野学さんのギャラリー
長野五輪で着用のウェア
どうやったら空中で笑顔になれるんだろう
一番良く見てたシーズン 1998-1999
国別対抗で日本が優勝
国別対抗1位のネーションズカップ
新聞掲載の写真でよく見てた。実物は初めて。


<小野学さん>
すごい方だったと思う。

ジャンプ選手として日本代表クラスの経験があり、さらに抜群のインテリジェンスも兼ね備えた人だった。

60歳手前で、若くして亡くなられてしまったのは、ジャンプ界には大きな損失と思っていた。

・語学が堪能だった
ご本人いわく、教師に恵まれたこともあるが、高校卒業の段階で、英語が母国語でないヨーロッパ人と会話するのには困らなかったそう。

語学力を活かして、欧州遠征たびに、テクニックやマテリアル情報の収集、スキーやスーツメーカーとの接触、交渉、調達ルートの開拓。IOC向けの長野オリンピック招致説明など、多方面で活躍されていたと思う。

・科学的トレーニング
気合根性論一辺倒の否定というか、科学的に意味があるからやる、ということを基本とされていたと思う。

高校で物理を習った際に、落下の計算式を書いて物理学的側面からスキージャンプ競技を理解されていたそうで、ジャンプ競技には、ジャンプ台の構造への興味から入ったフシがある、とのこと。

このようなスタンスをもとに、ジャンプの動作解析ソフトを自作されたり(それもコンピュータが普及する前から)、圧力プレートを白馬に埋め込んだりなど、

それまで感覚的、主観的だったジャンプ技術を定量的に整理し、ナショナルチームのテクニックの基礎を再定義されたのだと思う。

・ジャパンマジック
1988カルガリーオリンピックの団体戦最下位から、10年後、1998長野オリンピックでの圧倒的強さでの優勝に至るまでには、小野さんの存在が大きかったと思う。

トレーニングの科学的な裏付け、品質の良いマテリアルの調達など、選手個人個人の努力では越えるのが難しかった情報・環境面の壁を、マネージャーとして1つずつクリアされた結果だと思う。これは、他の人では出来なかったと思う。

その10年間が綴られた小野さんの著書の”ジャパンマジック”は、いつかも書いたけど、3冊持ってる。(今の家用、実家保存用、自炊で電子書籍化するために裁断したやつ)(過去記事

小野さんはめちゃくちゃ頭は切れて、数字や客観的な根拠を元にはされているんだけど、ベースにあるのは、ただただジャンプへの情熱だったのだと思う。

船木さんも、小野さんの追悼ドキュメンタリー番組の中で、”自分よりジャンプが好きな人がいるとしたら、この人しかいないんじゃないか、と思った”と話されていた。

念願のサインも書いてもらった。
2005.10.16 岡部さんが復活優勝した白馬記録会の後に。


<湯田中温泉 よろづや>
ご実家のよろづやは、湯田中温泉でも由緒ある老舗で、現在は小野学さんのお兄様がオーナーをされている。

オーナーなので、バックヤードにいらっしゃるかと思えば、自らフロントに立ち、接客されていた。

帰り際も、一人で外まで見送りに来ていただいていて、驚いた。

そのときに、小野学さんの大ファンなこと、泊まれて、ギャラリーも見れてよかったことなど、お話することが出来た。

ふと考えてみると、小野学さんは父親と同じ高校の先輩で、父親が1年生のとき3年生として同じ校舎にいらしたようで、そんな縁も感じた。

ちなみによろづやさんは、歴史ある温泉(桃山風呂)もとても有名。


●昔のおもちゃ

引越し準備で実家の整理をしていたら、昔懐かしのジャンプ人形が出てきた。

懐かしの自作ジャンプ人形

中2〜高1の間のどこかだと思うけど、授業中に設計図書いて、寸法決めてたのを覚えてる。

当初構想では、人形だけじゃなくて、ジャンプ台もつくって、ちゃんと上で人形を離すと滑って、カンテで踏み切って空中姿勢に入る機構を考えてたんだけど、全く上手くいかず。笑

人形だけに落ち着いた記憶があります。

しかし、20年以上の時を経て、現存しててびっくり。

この人形は、ふとしたときに、よく手にとってたと思う。

基本的には、人形をいろんな角度から眺めながら、ジャンプはこの角度から見るとかっこいいなとか、

V字の幅、カカトの幅、身体とスキーの距離(=腰の折れ角)を変えながら、自分好みの飛型をつくって満足してたと思う。

いろんな角度から眺めてた

あとは扇風機の前でかざすのもよくやってた。

扇風機からの風(=向かい風)に対して、たしかにスキーをV字に開くと、風圧からくる抵抗力を持つ手に感じたし、スキーを閉じると空気がスカスカ通過してしまうのが分かった。

クラシカルスタイル(スキー揃える)だと、
たしかに扇風機の風は逃げていった。

こだわりは、
・ちゃんとスキーの長さを、当時のルール通り、身長の146%にしたこと
・大ファンだった岡部さん風に、右足をわずかに上げた飛型にしたところ。笑

岡部さんぽいでしょう。笑

一般的に、大人になって変わる部分も多いだろうけど、変わらない部分もある。

僕の場合、このへんは37歳になっても、15,6歳のときから変わってないですね。


●G.Seekers

ちょうど引越し前の今日、内藤智文選手(link)から、ファンクラブのステッカーが届きました。

ステッカーには手紙も添えていただいてあって、、内容が染みました。

note記事も面白いです。

ジャンプスーツに貼ります!


また東京で頑張ります。


2020年11月18日水曜日

11/7, 2020 妙高(2020夏ラスト)

●危機

もう、引退危機。笑

どうしよう。笑

ジャンプが危なくて、このままじゃ続けられない。

この夏のラストジャンプ(11/7 妙高)では、もうそれが生涯最後のジャンプでも仕方ない、という覚悟すらした。

未だかつて、いくら飛距離は出なくても、危なさがここまで高まったことはなかった。

翌週の飯山も予定的には行けたんだけど、危ないのでやめた。。

とても深刻です。
実に14本中11本で手を回してる。残る3本もおっかなびっくりで、ただ降りてきただけ。ジャンプになってない。


●道具を戻す

今シーズンからちゃんと使い始めたWedge=ハイバック。

今回、これを抜いてみた。

今苦しんでいる空中分解が、道具に起因するものかどうかの切り分けのため。

結果、
・それでも分解変わらなかった。
・ただ、ヒザ戻りも変わらなかった。
・立ち上がりやすくなるのか、タイミング遅れが減少傾向?(要経過観察)

-->しばらくハイバック無しでやっていこうと思う。


●久之さんから

見かねてアドバイスいただいた。

<上半身はいらない、脚だけで>
・上半身の役割は、重心を身体の真ん中に置けるように調整するだけ
・上半身は頑張っちゃだめ。力を抜いて
・脚で下に踏むだけ

-->全くその通りなのだが、今の状態ではどうにもならない。出来なかった。やりようがなかった。

危険を感じている状態では、どうにもならない。

どうやっても上体の力みが抜けなかった。

確かに上半身で引っ張って方向出してる自覚はあるが、陸上ですら出来なかった。

陸上でシミュレーションをしてても、実際のジャンプ台でのテイクオフを思い浮かべると、危険なイメージが浮かんで肩が力む。

もはやこれは技術の話じゃなくて、危ないという思いが消えない限り、何やってもだめだ。


<アプローチの形>
・アプローチも、腰が丸くて頭も下がってる
(対策)(久之さん)出っ尻にして、ヘソをももの間に埋め込め。

-->これは今でも出来たので、やったところ、アプローチの安定性や重心位置は改善。

言うまでもないアプローチの基本中の基本の形なんだけど、出来なくなってた。

やはり、危険と思うと、堂々としていられない。滑りながら、身体が縮こまってたのだと思う。


●真下に踏むためには:前提がある

上半身は使わずに、真下に踏む。教科書といえるテイクオフの基本。

ただし、これを行うためには前提条件があると気づいたので、メモ。

<真下に押す、はアプローチのGありき>
真下に踏み込むことが出来るのは、前提として、アプローチで上手く滑れていることが必要だ。

・後ろ重心で滑ってきて、Gが無い場合は、下に踏もうとしても空蹴りになってしまう。脚を伸ばしても、身体が上がるだけになってしまう(作用・反作用の関係で)

・アプローチのGによる重たさがポイントで、身体を上から押さえつけられているからこそ、脚を伸ばしたとき、下に押し込める、踏み込めるようになる。

踏み込みにはGが必要。その重さが支えになる。

重力に逆らわず、上から下へ。自由落下の流れの中にちゃんと入っていられたなら、その文脈に乗って踏み込める。

今回、アプローチがだめな状態と、改善後の状態とを両方体験したので、感じやすかったのかもしれない。


●パワーをつけて出直し

空中分解。

技術の問題か、道具の問題か、身体能力的な問題か。

答えは感じつつあって、たぶん身体能力的な問題。

空中での脚パワー、やろうと思ってももう出来なかった。

腹筋以下に神経が通っていない。

前回好感触だった”マキシマムで脚パワー全開”も、今回は一度も出来なかった。脚の感覚がない。

というか、地上にいるときさえ、腹筋や脚に力が入らない。出来ない。

もはや身体や筋肉の使い方じゃなくて、筋肉自体が無くなってると思う。

ジョギングは続けてたけど、それじゃ補えなかった部分だったと思う。


<力を抜く習慣が裏目に>
僕は、全ての日動動作で、身体から力を抜いてる。

言い換えると、力を抜くのがクセになってる。何をしててもそう。

ジョギングをしてても、ほとんど力を使っていない。

走るときは、バネみたいな動き(=縮められて、反発でビヨーンと伸びる動き)をしてるだけというか。

走って片足が接地したとき、身体の重みで股関節にギュッとくる力があるから、それに対する反発の力で跳ねて、その流れで次の脚を出して、、というような形。足裏バネ付きのシューズで走ってるみたいな感じかな。

つまりは、
縮められたときに出る自然な反発をきっかけにして次の動きをつくり、その動きをきっかけに、また次の動きをつくる、ということを無意識でやってると思う。

これ自体は悪い動きではないし、スポーツ全般では正解と言える動きだと思う。

本来は、流れがないところに、無造作に力だけで動き出すのでは、無理な力ばかり使うし、なめらかな動きにはならない。

しかし。


<風圧は力でねじ伏せる>
ただ、ジャンプの空中だけは、これではだめなのだ。きっと逆。

空中での、四方八方からの風圧の中で
動かずにいるためには、無造作に、筋力だけで耐えることが必要と思う。

文脈も流れも無視で、とにかく力。

腹筋と、太ももと、足首の引きつけ=カカト突き出し。

筋力で、風圧をねじ伏せることが必要。

今の僕は、それに耐えるパワーそのものが無くなっているのだと思う。

・自宅にいることが多くて基礎体力が落ちている(推測)
・トレーニングは、ジョギングとバランス、ストレッチしかしない(事実)
・筋肉を太くするようなことは全くしない(事実)
・(上述の通り)常に力を抜いているので、必要な筋肉が落ちている(推測)
・地上にいるときさえ、上手く力が入らない(事実)

特に、腹筋、骨盤まわりや脚の付け根あたりに力が入らなくて、筋力の不足を感じる。


●休んで出直し。

今現在は、いつ転ぶか分からないという危険さがある。

たとえ転ばなかったとしても、手を回してギリギリ着地するだけのジャンプ。

飛ぶ前は、いつも嫌な緊張感ばかり。

それが全てのジャンプで、何ヶ月単位でずっと続く。

さすがにこの状態が続くなら、少しお休みしても良いんじゃないかと思った。

結局、僕のジャンプ人生は、あのケガで終わっていたのかもしれない。
#今回のYouTubeの最後に、上記のケガしたときの事故映像入れました。

この夏の後半は、ずっと空中分解が続いて、少し疲れてしまった。

それでも、スキージャンパーでなくなることを、受け入れることは出来なくて。

少しは休みたいのだけど、そのあとはもう一度、ためらいなく、自信を持って飛び出していける状態をつくりにいきたい。


●やれることは残っている

身体のつくりなおしが必要かなあと思っているのだけど。

今年多かった自宅待機は、来年もさほど変わらないかもしれないけど(在宅ワーク)、

時間を何とか確保して、いろんなトレーニングをする必要がある。カカト歩き、腹筋、登山、トレッキング、、

この夏の途中、脚リハビリのために登山してみたのは正解だったと思う。

これらを続ければ、また必要なパワーが戻って、腹筋以下に神経が通ってくるかもしれない。

だから、やれることは残っている。


<今年がベストな部分もあった>
実は、アプローチやテイクオフの形は、過去で一番良かったと思う。

過去記事:アプローチ2020

きっとアプローチ2020は、僕にとっては正解だ。

シーズン中盤からは空中に注力せざるを得なくて、このアプローチ2020はパーフェクトには出来ていないけれど、それでも過去の好調時よりも良い形に見える。

ここに空中の安定と思い切りが戻れば、きっと、また、いけると思う。


<復活したい理由>
それに、もう一つの戻りたい理由。

いつも応援していただいている新潟の森さん。

最近姿をお見かけしなかったので少し心配だったのだけど、先日の白馬の全日本選手権にいらしていたそうで、良かった。

復活したきれいなジャンプを、見ていただきたいのだ。



ジャンプがだめすぎて、星とか見てしまう。笑
よく見るとオリオン座が映ってます。



2020年11月3日火曜日

10/31-11/1, 2020 妙高(清水さんキャンプ107th)

●清水さんジャンプミニキャンプ107th

10/31, 11/1の2daysで、清水さんジャンプミニキャンプ107thに参加してきました。

世間は4連休な人が多いこともあり、けっこう選手も集まって賑やかでした。

東工大の後輩のあつろうも来ていて、上半身を使わない教科書通りの飛び出しで期待を感じた。

あと個人的に印象に残ったのが、去年のミニキャンプのキャプテンだった九州大の久保田くん。あつろうをそのまま上手にしたような形で、合理的な上半身の使い方(使わなさ)のまま、脚の動きの大きさが出てきていた。このキャンプ中にもジャンプが変わったように見えて、すごいと思った。

その他、平岡さんも動きが大きくなってきて、上り調子に見えた。その他OB組も全体的にみんな調子が良さそうだった。

流れに乗りたい。



●ずっと不安を抱えてる

僕自身はというと、今シーズンずっと続いてる空中分解がやっぱり直らなくて、不安がずっと続いている。

けっこう苦しい。

自分の記憶の中で、アプローチを滑りながら、これはだめだと思って踏み切るのをやめたのは、10年間で2回だけある。

それが2018夏のケガ復帰直後と、前回の練習でのラストジャンプ。

今は、いつ空中分解して転ぶか分からない。どうしてそうなるかも分からない。

危なくて、このままでは飛び続けられないと思った。

この自分が初めて引退を意識した。

この6月くらいは、新ブーツが馴染んできて、もういける、元通りまであと少しと思ったけど、なかなか順調にいかない。笑


●いつも同じパターンで分解

分解するときは、いつも同じパターン。

突然、右スキーが落ちる。

タイミングは飛び出し直後のこともあれば、空中で安定飛行していて突然なることもある。

まるでカカトのビンディングが外れたみたいな感じになる。(実際は外れてない)

再現性があるので、必ず理由はあるはずなんだけど、分からなかった。

一時期ビンディングのせいか?とも思ったけど(過去記事)、完璧に調整したあとも症状は消えなかった。

ぼろぼろだった前回の練習では、さらにこれに加えて、謎だけど空中で右スキーだけV字が閉じてきてしまい、空中で曲がって、そのせいでもバランスを崩す。

もうどうにもならない、と思った。

だから、最後はスタート台でも嫌な予感しかしなくて、滑りながらやっぱだめだと思って、踏み切るのをやめた。

普通は無意識で、安定してまっすぐ飛べるはずが、無意識に頼ることが出来ない苦しさ。

全てを意識して直さないといけないとすると、途方も無くて、やりようが無いように感じた。


●やっぱり脚パワーが大事

右スキーが落ちる原因。

あれこれ時間が経って、現段階では、以下2つの複合要因と推測している。

(1)やっぱり脚パワー(FTMM弱かった)
   -->重要性は言わずもがな。

(2)空中フォーム(カカト幅が狭かった)
   -->狭いとねじれやすい。広いと旋回は止まる。

これまでは、スタンスの広さと脚のグリップ力で支えてたバランスだったけど、今はどっちも無かったのでは?と思った。


(1)脚パワー(FTMM弱かった)

夏頃にもFTMM不足と思って、たしかに脚の筋力落ちたのかなと思って、登山したりしてたけど、結局ここなのかもしれない。

夏以降、FTMMをしっかり出来てはいない、無意識で飛んできてしまった実感もある。

分解したときは、テイクオフの腕の使い方とか、他のことに注力していて、FTMMに気が回っていなかった気もする。
#ケガ前は、脚パワーを入れるのは無意識で出来ていたから、テイクオフに意識を注いでもOKだったけど、今は自分の無意識の動きに頼ることが出来ないのだ。

<脚パワーでスキーを引きつけることの良さ>
・横風耐性UP。
煽られにくくなる
・追い風耐性UP。落ちていくスキーを支えられることで、分解しにくくなる
・向かい風特性UP。吹き上がる風を受け止めて、浮力に変えられる。

ミニキャンプ初日にYMMTが僕と同じパターンの分解をしていて、その原因は本人いわく足首をゆるめたから、とのことだったので、ふと気になり、再度徹底しようと思った。


<マキシマムで脚パワーを最大化する>
僕の場合は、テイクオフで思い切り脚の力を入れようとすると、そこで意識が終わってしまい、空中に出たときに頭が空白になりやすい。

だから、肝心の空中で脚パワーが抜けやすい。

そこで、キャンプ2日目からはテイクオフは通過点、空中マキシマムで脚パワーを最大化するイメージで飛び続けた。


<本当は、空中フォームをつくりにいきたい>
本来なら、マキシマムでは、単に脚パワーを最大化するというよりは、自分の空中フォームをつくりにいきたい。

空中での自分の形、フォームがあれば、それをつくりにいける。

自分の形・・・
・自分の空中フォームのこと。脚は付け根から足首までしっかり力が入った上で、カカト幅、腕の位置、手のひらの向きはこう、と決めた形

・さらに、前傾はこのくらいかかっていて、スキーのこのあたりに風の持ち上げを感じて、足裏にはこのくらいの風圧を感じていて、、といったイメージもセットでついてくる

今は、その形を忘れてしまっている。何年もまともなフライトをしていないので、もう感覚が遠い。。

僕の場合は2015夏に初めて空中の形が出来たけど、それが出来る前の2014は、ひたすらFTMMをしてたと思う。

だから、またFTMMからやり直すことで、もう一度自分の空中フォームをつくりたい。

FTMMを続けて、無意識化されることで空中で余裕が出来て、手のひらやカカト幅の調整が出来た実績がある(過去記事)ので、それをもう一度やりたいのだ。


(2)空中フォーム(カカト幅が狭かった)

<ワイドスタンスで空中を安定させる>
スキーを含めた身体の左右差(骨格の歪みや、V字の開き幅、スキーの面の向きの差など)は、ある程度仕方ないのだけど、空中でのねじれにつながる要素ではある。

このとき、カカトやV字が狭いと、身体がドリルみたいに回転しやすい。左右差がそのまま出てしまう。

しかし、カカトをしっかり広げる、ワイドスタンスにすることで、旋回を止められる。

当たり前だけど、フィギュアスケートのトリプルアクセルみたいに、回転軸の近くに身体を寄せると回転しやすくて、反対に、軸から手足を離すと回転しづらい。

#国内大会を見ていても、2本目に残るような選手でも、カカト幅が狭かったり、スキーのテールがクロスしてる選手は、飛び出し直後などでバラつくことが多かった。

#左右のスキーを平行に揃えて飛んでいたクラシカルスタイルよりも、V字ジャンプの方が旋回防止効果で安定性が増した。左右の揺さぶりに強くなり、多少の横風でも競技が出来るようになった。また、パラシュート効果で落下速度も低下したことで、より安全になった。
#言い換えると、昔の選手はほんとすごい。毛糸帽子だったし。レールもないし。スタートゲートもないし。あれでフライング飛ぶとか。。


<シュノーケルで発見>
先月、石垣島でシュノーケルしながら空中フォームをつくってみたのだけど、何も考えずにつくった形だと、空中分解するのと同じような旋回(=右が下がる回転)が始まった。

たぶん、今の素の身体のバランスがそうなんだろう。

そこでカカト幅を広げると、旋回が止まった。

身体の左右差をなくす、なくした状態を維持し続けることは事実上不可能なので、出来ることをやったら、あとはそれを許容して、左右差があっても大丈夫な形をつくる(=カカト幅を広げる)のが現実的だ。

でも、空中フォーム(カカト幅)の操作は、今はそこまで出来ないや。

ジャンプをしながらだと、FTMMで精一杯。空中でそこまで意図的に制御する余裕を、今の僕は持てていない。

それでも、(自分の場合は)脚パワーを入れれば、自然とカカト幅も連動して広がるので、まずは脚パワーに注力しようと思う。

#ちなみに、シュノーケルはジャンプトレーニングとしてすごく良かった。

実際のジャンプの滞空時間は数秒程度だけど(ミディアムヒルで3秒、ノーマルヒルで4秒、ラージヒルで5秒、フライングヒルで8秒-10秒くらい)、シュノーケルなら水に浮きながら呼吸もできるので、何分でも何十分でもずっと空中姿勢の試行錯誤を続けていられる。

さらに、呼吸もしながらなので、息を止めた場合、吐いた場合など、どう呼吸したら身体の力みをとれるか(=必要なところにしっかり力を入れて、不要なところから力を抜けるか)、も実際に飛型をつくりながら身体に覚えさせることが出来る。

風洞設備は全日本強化指定クラスじゃないと使えないけど、水で試せることは十分あると実感した。

さらに、目の前にサンゴ礁もありサカナも集まって綺麗だし。

海まで行かずに近所のプールでやりたいところだけど、市民プールでずっと動かずに、プカプカとシュノーケルで浮いてるわけにもいかないので、やはり海しかないかな(ogw選手ならやりかねないが)


●出来ることを続ける

原因が分かってきたとはいえ、不安で踏み込めないのは、すぐには変わらない。

まだ、不安はずいぶん残ったまま。

その中で、ミニキャンプ2日目、上述の(1)FTMM、空中マキシマムで脚パワーを最大化するのを実行。

結果として、”形は綺麗だけど、飛距離は伸びないジャンプ”になった。

空中は安定したけど、不安のためテイクオフパワーが弱いのだ。

でも、今はこれでいい。これをしばらく続けていく。

空中安定したジャンプを続けて、スキーへの信頼感を、少しずつ重ねていくしかない。

今は思い切り踏み切れる段階じゃない。

一気に前に進んではいけない。もどかしいけれど、一度後戻りが必要な時期だと思う。


●少し、力が戻る感じ

マキシマムで脚パワーを最大化するイメージは、良かったと思っている。

少しずつ、空中でスキーを信頼できる感じが出てきて、リフトに乗りながら、力が湧いてくる感じがした。力が湧いて、グインと踏み込める気がした。(まだ気がするだけ)

今も、実はそんなに意図的に踏切パワーをセーブしてるわけじゃないのだ。

不安状態だと、普通に踏み切っても、セーブされた力までしか出なくなると思う。(人間の生命維持機能、危険回避機能なのだと思う)

ノーマルな状態なら、普通に踏み切れば10の力を10出せるのに、不安状態ではそれが4とか5になってしまう。

たぶんジャンプを始めて間もない選手が、本人は出来る限りの力で踏み切っているのだけど、実際には少ししか動けないのと同じ状態なのだと思う。

やっぱり、不安がなくなってこそ、身体本来の力を出せる。


●次ToDo

今シーズンのサマージャンプは、来週で妙高はクローズ、翌週に飯山もクローズ。だから、最大であと2回。

<ToDo>これ1つ
・マキシマムで脚パワー全開
   -->これを続けて、空中フォームをつくる。腹筋も合わせて使うと良い。腹筋xFTMM

<プラスアルファ>
・空中くの字型
   -->空中の安定性を補強。追い風耐性UP。

・1番ゲート選手権もやってみたい
   -->思い切り踏み切るために。(思い切りの良い動作を身体に覚えさせる)


ミニキャンプ風景。天気良くて寒すぎず良かった

森井ヒル。降りるときまで脚パワー継続するのがポイント

Team Taku Cupの写真。
妙高の近藤さんにいただきました。飾った。



2020年10月5日月曜日

10/4, 2020 飯山(記録会)

 ●team taku cup 2020

参加してきました。企画、実行とありがたかったです。

キッズからレジェンド、応援の方々まで、たくさん人がいて、賑やかで良かった(ジャンプ台なので、密とまではいかない。笑)

荻原健司さんのラジオ体操メンバーの方々とお会いできたり、いつもお世話になってる北島さんに差し入れまでいただいしまい、ありがたい体験をまたさせていただきました。

物販ブースも出ていて、ttロゴのアパレル類はおしゃれだった。team takuらしさを感じた。横川良太選手のカレーもタイミング逃したが食べたかった。

そして自分のジャンプは、もう今出来る精一杯。

空中分解しないだけで精一杯だった。

全く進歩がない。同じジャンプ繰り返してる。そして、それだけでやっとだった。

今回は、子どもたちのジャンプを見れて良かった。


●キッズたちの元気がすごい

練習ジャンプを飛びながらだったり、飛距離判定員を手伝ってみたりしながら眺めてたのだけど、

子どもたち、一切の、何のためらいもなく、思いっきり踏み切って飛び出していく。

ああいう感覚、良いなと思った。


●ちょっとお休みしたい気分

今の僕のジャンプには、ためらいが多い。

意識的にパワーセーブなんてしてないけど、無意識で制約かけてるところが、色濃く残ってる。

日常生活をしてても、飛びたいんだけどどこか飛びたくないような気持ちだったり(それでも飛ぶんだけど)

ジャンプ台に着くと、胸がそわそわというか、すくみあがったような不安状態になるのだ。息が上がり気味というか、うわずった呼吸しか出来ない感じ。

何本か飛ぶうちに、次第に落ち着いてくるのだけど。

今シーズンは、スタート後しばらくは思惑通りに進んでこれたけど、初夏の謎の空中分解の連発[YouTube]で歯車狂っちゃったかな。

合わないブーツへの不安が無くなって、ためらいなく踏み込めていたのが、分解によってまた出てきてしまって、消えない。

とはいえ何とかしたいので、身体を動かすことをいろいろやってみようかなと思う。

明確な期待される効果がなくても、遠回りになっても別に良いので、動きながら何かヒントが見つかれば。


●スラックライン、やりたい

記録会後に行った、小布施のスラックライン場が良かった。

スラックラインは、全然出来ないけど、けっこう好き。

常時不安定な状態になって、ジャンプの空中で分解しかけたときに似ている。

だから、地上にいながらにして、それに慣れることが出来る、不安定でも驚かなくなるかなと思った。

具体的には、バランス崩したときに、すくみ上がって肩に力が入ることを、防げるようになる。脚に力を残せたままになる気がする。

もちろんバランス力自体も上がるだろうし。あとはやってて楽しい。

今はジャンプにちょっと限界を感じる。

このままやってても、だめだな。

思うように飛べなかったり、不安を抱えながらだったりで、せっかくのジャンプがストレスになるのも嫌だし。

ジャンプの技術的には、高さをとりたい。カンテを綺麗に通過するだけなら出来るから、その曲線を一段上でつくりたい。

不安解消と合わせて、ストレッチ、ジョギング以外にも、何かしら追加して、立て直したいと思う。


元気いっぱいのキッズ。すごい。

小布施にあるスラックライン

いつもはエアーでしかしないバッティングを、リアルで。笑
イチローのスイングはとても真似できない。

旅行で行ってきたサロマ湖。綺麗だった。
こんな穏やかな気分で飛びたい。

2020年9月24日木曜日

9月の練習記録(妙高)

 9月も練習続けてます。


9/6 ずっと追い風が吹く中で飛んだり(動画1本目)
9/9 覚悟を決めてノーマルヒル飛んだり(動画2本目)
9/19,21 ミニキャンプ参加したり(動画3本目以降)

正直、状態は今ひとつで、もやもやしてます。


<記録会のお知らせ:10/4 飯山>

10/4に、飯山で竹内択選手率いるTeam Taku主催の記録会があるとのこと。

出てみようかな。

今は記録会どころじゃなくて、空中分解したり、転倒する可能性すらあるのだけど。笑

次飛ぶのが当日なので、身体づくりとイメトレしか出来ない。

けっこう不安はある。笑

まあ、だめだったらだめで仕方ないかな。

今シーズンはこれまで、今の何とも言えない、あるような無いような自由時間の中で出来る限りのことはやってきたと思うから、今さら後悔、焦りはないや。


●9月の練習経過

おおまかな経過は、以下2つ。

①まず、インパクトを当てようとした
—>当たりは出た。でも、だめな当て方だった。空中につながらない。身体が直線的になりすぎて、空中で不安定になる(動画の1〜3本目がそう。黒いスーツのとき)

②空中をきれいに保った上で、当たるテイクオフを模索 ★今ここ
—>空中だけ気にすればきれいに飛べる(動画4本目〜シルバーのスーツのとき)
—>でも、当てる要素を入れるとまだだめ。またお腹を突き出して、反ってしまう(動画のラスト2本。試行錯誤中)


①インパクトを求める模索

<テールまで力を伝えつつ、押し込む>
これは内藤智文選手コメントで、自分に合うと思ったもの。

このイメージの動き方でいくと、力が伝わる感覚があった(ただ、なるべくファクトベースで考えたいので、一度フォースプレートで測ってはみたい)

(1)スキーのテールまで踏み込む
カカトじゃなくて、スキーのテールまで力を伝えるイメージ。

結果として、
(2)身体だけじゃなくて、スキーごと一段上に持ち上がる感じになった。
—>スキーごと、がポイント。

そして、しっかり踏み込むと、空中まで脚の力が残るので、空中の安定性も上がるのだ。

(ただ、空中が不安なうちはどうやっても踏み込みきれない、、2018や2019がそうだった。これは仕方ない、どうにもならないと思った。だから、やるべき準備だけしたら、あとは”あ、これかも”という感覚をつかむ瞬間、いろんな刺激を元にして良いイメージが浮かぶ瞬間まで、時を待つしかないと思う)

注意点も感じた。

<注意点:インパクト>
(1)へそ出し解消せねば
当てる立ち方をすると、おへそを前に出してしまってた。 ★ここ、久之さんにも指摘された
—>これでは空中に繋げられない。空中で身体が反り気味になり、バランスを崩す。

だから、もう少し精度向上が必要。
—>スキーのテールまで力を伝えつつ、押し込みつつも、くの字をつくる動きにしていく(テイクオフで腹筋を使えばこうなる)

(2)アールで縮こまってきてる
準備動作で、力をためようとして、かがみ込んでしまう。もっとゆったりとアール(=アプローチのカーブ部分)を使いたい。
—>息吐きと、腕ピーンで解消出来る(今年の過去記事参照)

(3)タイミング病的遅れ
テール押し込みしてたらタイミング遅れすぎてた。
—>新しい立ち方なので、動作開始前に頭の中で準備が入る。初動が遅い。これは僕らしからぬ、イメトレ不足。


②空中をきれいに保つ

こちらは、久之さんからのアドバイス。

<くの字をつくれ>
当てに行った弊害の、空中の身体一直線を見かねて、こうアドバイスいただいた。

これはすんなり出来て、つくったら、まとまりは良くなった。

空中に余裕が出て、ジャンプが柔らかくなった気がした。これは自分好みの飛型。

あとは追い風耐性もUP。空中分解も減った。
—>お腹を突き出す=一直線だと、余裕がないので分解しやすい。

やっぱり、空中では腰を残すのが生命線かもしれない。

これをキープした上で、インパクトを当てていきたい。

<その他の久之さんコメント>
・(飛び出し後に)一発で一番いいところにハマろうとしすぎ。
・ハマれば飛ぶけど、追い風だったり、少しハマりが悪いだけで一気にバランスを崩す。
・90%の位置でいい。ゆとりをもたせろ。気持ち的にも。
・くの字をずっと保て。三段階(=空中前半、中盤、後半)を全部くの字でいけ。特に空中後半で直線的になってきてる。

<くの字型は、テイクオフでつくる>
ちなみに、くの字型は、テイクオフでつくり、それが空中も続いていく。空中に出てからではない。
・テイクオフでは腹筋を使う。腹筋でお腹付近を縮めることで、くの字をつくる
—>腰を折る(=身体の後ろ側を使う)感じではない

・腕、手のひらでもコントロール出来る。アプローチを滑りながら手のひらを下に向けるイメージだと、くの字型を誘導しやすい(実際に下に向けなくても、空中に出るときそうするイメージをしてるだけで良い)

やってみて感じた注意点はこれ。

<注意点:くの字型>
空中中盤以降で、身体が押し戻されるというか、起き上がってしてしまうことがあった。
—>後で映像で確認したら、空中の途中でくの字を維持できていなくて、身体が反って頭が上がってた。
—>腹筋の力がテイクオフの瞬間しか入ってないときにこうなるので、腹筋の力=くの字型を、後半までずっと保つ。


●総じて

自分のジャンプ見てて思ったけど、ジャンプへのためらい、まだ消えてない。

今は明らかに遠慮がちに踏み切ってると感じた。6-7割の踏み込み。

6月頃はもういけると思ったんだけど、その後空中分解が続いて、結局不安な状態に戻ってしまった。

<思い切りの良さ>
この10月でジャンプを始めて10年になる(2010年10月に、飯山でスタート)

節目の10年をきっかけに、昔の映像を見直してみてるのだけど、初期の頃〜ケガ前は、明らかに思い切りの良さや、躍動感がある。今は無くなっている。

それに、僕はずっとラージヒル積極推進派だったけど、今は飛びたいと思えてこない。ノーマルヒルすら飛びたくない。練習にならない、ジャンプにならない、危険という気になってしまっている。

このあたり、まだまだな証拠。

問題は空中。

アプローチやテイクオフの形は今の方が良いとすら思うんだよな。空中が絶対的にだめ、全く過去に届いてない。

そして空中の不安があるから、思い切りの良さが出てこない。

もちろん2年前、1年前よりは十分良くなってはいるので、ある程度は良しとすべきかなとも思うけれど、物足りないのだ。

空中さえ安定すれば。


●次の課題

空中の安定を最優先に、いきたい。

<テーマ一覧>
・アプローチ2020
・息を吐きながらのテイクオフ〜空中
・くの字型をつくる ★優先テーマ
・インパクト(スキーのテールまで)

取り組みテーマ、課題なんて無限にあるけど、ちゃんと形に残そうと思うなら、1つずつ、順番に取り組んでいくしかないな。


くの字型をつくる。
腹筋がポイント。あと、滑りながら手のひら下イメージ。


国井さんと再会。お揃いのチームTシャツ
(ogw選手は持ってるのに着てませんでした)








2020年9月1日火曜日

8/30, 2020 妙高でジャンプ

ここ数ヶ月、まさに一進一退を繰り返してる感じだけれど、今回は進むきっかけを感じられた日だった。(まだ進めてはない。笑)



●トップ選手のアドバイス

このご時世がもたらした変化として、オンライン飲み会や、在宅勤務など、もともとやろうと思えば出来たけど、オンラインで行う習慣がなかったことが、実際に実施されるようになってきたことがあると思う。

この時代の流れに乗り、内藤智文選手が、僕らのジャンプに対して、オンラインでアドバイスをくれる機会をつくってくれた。彼は2019札幌国体チャンピオン、ワールドカップ海外遠征にも選出経験のある、紛れもなくトップ選手の一人。

僕らが自分のジャンプ動画と相談ポイントを智文選手に送ると、後日解説動画を返してくれる。

解説動画は、ジャンプ動画を送った本人だけでなく、仲間たちみんなが見れるようになっていて、智文選手のコメントをもとに、みんなでディスカッションができる。

例えば、テイクオフでは、自分はこんな感覚だけど、みんなはどう?だったり、空中姿勢は20年前はこうだったぽいけど、今はどう?など、仲間同士の感覚、トップ選手の感覚、最近のジャンプの傾向など、あれこれと話し込める。

その中から、自分のジャンプに反映できるものを、各自見つけていく。

もともと合宿のときにはビデオミーティングと称して、宿で夜な夜な数人でやってたのだけど、やっぱりトップ選手が入ってくれると、技術的に芯が出来る。

明らかに自分たちの延長線上からでは出てこないアイディア、観点をもらえたりするので、とてもありがたい仕組みなのである。

<内藤智文選手>
●オフィシャルサイト(後援会もあります)

●スポンサー企業ニュースリリース

内藤選手は、長年のジャンプファン視点で見ていても、毎年ジャンプの変化が感じられる、追いかけたくなる選手だと思う。

僕らみたいな駆け出しジャンパーと違って、ジャンプが徐々に変わるトップ選手って少ない。普通は長年の経験を積むと、技術が固まり、伸びる余地も減ることで、毎年同じジャンプを繰り返すだけになってしまうと思う。

その中で、内藤選手は明らかにテクニックを変えて(進化させて)きていると感じられる、数少ない選手。トップレベルにいながら、さらに進化を続けられる選手は本当に少ない。

決して惰性でやっていない。自身の目標達成に向けて、ずっと模索を続けている。きっと根拠のある作戦を立てて、試行錯誤を繰り返すことで、変化を続けられるのだと思う。

だから僕も、ジャンプファンとして、自然と注目して、応援してしまう。 


●見つかったテーマ

僕はジャンプ中の力の入れ方について、アドバイスをもらえた。

空中ではFTMMに力を入れたり、テイクオフでもそれなりに筋出力を発揮して立ち上がるわけだけど、そこの力の入れ方について。

僕の入れ方は、
息を止めるような力の入れ方に見える”
息を吐くような力の入れ方のほうベター。イレギュラーな風等に対応しやすい”

たしかに。

そうなのだ。

息を止めて、身体を縮こまらせるような力の入れ方を、僕はしている。

すなわち、海にドボンと飛び込むときに、目を閉じてウッと息を止めるような、あんな力の入れ方を、特にテイクオフではしている。これはずっと、ジャンプを初めて以来そうだ。

言われて初めて気づいたことで、すぐ変えたいと思ったポイント。


<テイクオフで息を吐く>
今回、息を吐きながらテイクオフをしてみた。

深呼吸の息を吸って、吐いての、あの吐き方。

テイクオフは、カーブからカンテまでのゾーンを、2段階でいってみた。
(1)カーブあたりで息を吐き始める
(2)吐き続けならカンテで踏み込む

これまでやったことが無い、新しい動き。

カーブからテイクオフの準備をしている訳なので、カーブからカンテまでをゾーンで使える。単発の動きも避けられるかなという期待もしていた。

結果として、とても良い。肩の力みが減った。


<余裕が出来る>
息を吐きながらテイクオフしたところ、同じ力を出すにしても、無駄なところ(肩)の力は抜けている感じがした。

そのぶん、余裕やゆとりが持てる感じで、動きも無駄が省かれてスムーズになった。

息を吐く。
すると、飛び出し前に少しリラックスできる。
腕の反動使いが大きく軽減された。
無駄な動作(=腕の反動)を省けたことで、タイミング遅れも軽減された。

この観点は、自分でこのあと何年やってても気付くことはなかったと思う。感謝。

これは採用決定で、自分のジャンプの基本動作に組み込む。


<イチローも同じ>
息を吐きながらテイクオフしている選手は、伊東大貴選手もそうらしい(たしかにテレビ映像でも確認出来る)。そして僕のヒーローの一人、岡部さんも僕の記憶ではこのスタイルだったと思う。

さらに、余分な力が入っていないことで名高いイチローも、バッティングのスイング中は、息を吐いている。

僕はバットを振るときも、無意識に息を止めちゃってる。ジャンプのときと同じだ。(ニッチロー’はモノマネ中、息を吐く動きをちゃんと取り入れている。遅れをとるわけにはいかない。笑)

ぼんやりだけど、ふーっと息を吐くと、身体から不要な力が抜ける効果がある気がした。

だから、力を入れる部分を、必要な(意図的に入れたい)部分だけに絞りやすいかもしれない。


<空中はまだまだ>
さて、空中のほうはというと、まだ安心感を持ちきれていないのだ。

腕を引いているのがその証拠なのだけど、肩の力みがとれず、そのぶん脚の力が抜けている。。

だから、飛び出し直後にスキーを離して(落として)しまう。

今回も、テイクオフ直後に脚を緩めてしまって転んだ。。(YouTubeの2本目、3本目がそう)

今シーズンはだいぶ良くなったとは言え、
・脚の前の筋肉(太ももなど)のパワー不足
・結果としてビンディングの調整不足と判明した件(こちらは解消済)

いくつか重なって、なんだかんだ空中は不安が残り続けている。


<FTMM=二度と忘れる訳にはいかない>
今の僕のジャンプはやっぱり不安定で、”息を吐きながらのテイクオフ”など、1点に意識を集めると、根本の基本動作である空中FTMMさえ消えてしまう。

ここは地道に、脚を日常的に使ったり、FTMMにパワーを込める動作を日常的に続けるしかないかな。

イメージも、今回は息を吐きながらテイクオフするところしかつくってなかった。(ビンディング問題が解決したことで、空中はもうそれなりには大丈夫と思ってしまっていた)

次回は、空中までつくる。そうしないと、危ない。

息を吐きながら、テイクオフして。

吐き続けながら、空中で脚に力を込めていく。

そこまでをイメージしておく。


赤いところに力が入っている。上(2017)が正しい。
FTMM=このジャンプの根幹技術だけは、二度と忘れるわけにはいかない。


これを習慣化する。FTMMをアクティベート。
(なんか左右非対称だな、、)

転んで新しいジャンプスーツに穴が空いてしまった。。
落ち込んだので、こんな日はラーメン大盛りをどか食い。。





2020年8月17日月曜日

8/8-16, 2020 妙高、飯山

●リセット
前回があまりに訳が分からない状態だったので、一度、心身ともにリセットをしてみました。

気分転換に、この10月で僕はジャンプを始めて10年になるので、始めた当初の動画を見直してみたりした。

すると、ビギナーズラック的ではあるけど、意外と上手くてびっくりしたところもあって、次からしばらく、何も考えずに飛んでみようかなと思った。

何も考えないのはいつもの自分の芸風とは違うけど、いろんな期待もあった。

もう一度ビギナーズラックを狙えるかなとか、自然な動きになるかなとか、多少煮詰まって疲れ気味だった頭が休まるかなとか。

あとは別途、単純に脚に神経が通ってない感じがしたので、基礎体力トレーニングもした。

心・・・しばらく何も考えずに飛んでみる
身・・・基礎体力づくり(脚)



●基礎体力トレーニング
脚に力が入らない実感があったので、なるべく脚のトレーニングになるようなことをしてみた。

本屋でカカト立ちで1h立ち読みしたり(その後、ちゃんと2冊買いました)

登山趣味のogw選手と登山もしてみました。往復で5hちょっと。菅平の山。これで100名山を1つクリアです。

完全にジャンプのためのトレーニング目的でしたが、さすがに風景はきれいでした(写真貼った)

やっぱり脚も使えば何とかなるもので、ある程度、力が入る感覚が戻ってきたので、ノーマルヒルもシーズン初飛びしてきました(しかし恐る恐るだったので、低いゲート:15番から)


●ビンディング調整=空中ねじれの解決
そして今年の謎だった空中でねじれる現象ですが、完全に解決しました。

原因、ビンディングだった。

カカトが上がらなくなってた。

ジャンプのビンディングなので、カカトは持ち上がる構造なのだけど、ここに異常あり。

少し斜めの力がかかりながらだと、上がる途中で引っかかってしまい、そこで止まる場合があった。かなりガツンと力を加えないと上がらなかった。

ここで引っかかる

カカトが上がらない=スキーが下がる

挙動がおかしかった右スキーだけ、こうなってた。

分解してクリーニングしてみたけど、内部で磨けるところってそんなになくて、汚れもなかった。

カーブしたプレート部分に潤滑油塗ったら、それで直った。

滑らかに動くようになり、それ以降全く問題ない。

これはAIRタイプならではの問題であり、スティックタイプなら構造上こうはならない。

やっぱりシンプル構造は強い。

可動部というか、メカ部が少ない構造は強い。機構の数だけ、故障する可能性がある箇所が生まれるし、メンテナンスが必要な箇所が生まれてしまう。

AIRは、
・複雑な構造なぶん、長期で使うにはメンテナンスが必要
・遊びがないぶん、空中で安定はするのだろうけど、取り付けの位置決めが難しい(どの位置に決めても、ねじれ負荷がかかってしまう気がする)

2016の始めからもう4年も使ってたから、メンテ必要だったな。

あらゆるメカ部分に潤滑油さしておいたので、当面は大丈夫なはず。


●インパクトを
妙高で少年団が1番ゲートから飛ぶ練習をしていたので、混じって一緒にやってみた。

こういうのに乗っかるのはけっこう好きで、変化のきっかけになるかもしれないと思ってよく混ぜてもらっている。

自分たちだけだと1番ゲートなんて使う流れにならないので、行き詰まってるときは流れに乗ってやってみたら良いと思う。

この練習の狙いは、テイクオフでしっかりパワーを当てられるようになること。

僕は、今はカンテを通過してるだけだ。

だから、タイミング遅れても早くても、たいして影響ない。

本来は、こうじゃいけない。

空中の不安はビンディング調整もあり解消しつつあるので、インパクト当てにいってみようかなと思う。


<氷の上で立ち上がる>
氷の上でズレない立ち上がり方。

一直線に、空母から離陸する戦闘機みたいに出ていく。

2017年、ケガする前に好調だったんだけど、そのときの立ち方がこれ(過去記事)

これをもう一度求めてみる(ようやくこれを求める段階まで戻ってこれた)

ちょっと試したところ、良かったんだけど、、当たってるし、スキーもしなるんだけど、

空中へのつなぎ目がだめだった。
—>これまでの空中へのつなぎ目を良くするために、テイクオフ中からあらかじめ飛型をつくるような動きをしてたと思う(=頭もぐり気味、抱え込み気味に踏み切ってた)。これだときれいに空中にはつながるが、テイクオフは抜けちゃう。

一方で、今回テイクオフを当てにいくと、空中への接続がだめだった。

テイクオフで上半身反り気味、肩が力んで手を後ろに引いてしまって、飛行姿勢への移行がぎこちない。

でも、これはすぐ直せると思う。新しい動きで肩に力が入ってるだけで、修正は時間の問題。


<レールを真っ直ぐ踏む>
あともう1点。

立ち上がるときに、外側にズレながら踏んでしまうクセがついてた。レールの外側をスキーで擦ってしまっている(内藤さん&東澤くんに指摘してもらって気付いた)

真っ直ぐ、丁寧に踏もう。

これ意識して丁寧に立とうとしたら、タイミングめちゃくちゃ踏み外して分解したので次回注意する(8/16動画のグレーのスーツの1、2本目)


●次
・テイクオフは、氷上で立ち上がる。戦闘機の離陸
   -->スキーのしなりがチェックポイント

・テイクオフの横ズレの解消

・そのテイクオフと空中の接続=肩を脱力


快晴。酷暑の飯山(2020/8/11)





登山トレーニング(2020/8/12)


2020年8月2日日曜日

8/2, 2020 妙高(闇)

8/2, 2020

救いのない1日だった。

ボロボロだった前回を大幅に更新する悪さだった。

動画も見直したくないくらい。悪いイメージつくから。



●脚に力が入らない
ずっと空中に不安があった。

実は数日前から、普段の生活の中ですら、脚に力が入らなくて不安で。

前夜は、明日ジャンプ不安だな、行きたいはずだけど行きたくない、脚に力入らなくて危ないから。そんな気すらしてた。

実際飛んでみても、空中の不安があったから、ジャンプは見る影もない。

飛び出し直後に左スキーが落ちるジャンプが多かった。脚にパワー入っていない証拠。

脚に神経が通ってないような感じ。力を入れようとしても入らない。

この状態では、ガチッと空中姿勢を固めることが出来ない。

不安な空中が控えていると、テイクオフはいつもの方向に行けず、いつものパワーでもいけない。それでいて肩は力んで上半身は上に逃げる。

アプローチも頭下がって被さってた。

全てが崩れて見る影もない。救いがない。

練習後、脚を動かそうと思って、ノーマルヒル登山してみたけど、こういうトレーニング増やしたら何とかなるのか。


●基礎体力、、運動不足??
しかし何だろうこれ。
たしかに、普段ジョギングはしてるけど、力感なく走ってる。

その他の運動でも、全ての動作で力を抜くようにしてる。

だから、筋力が無くなってるのか。

とはいえ、それなりには動いてるはずなんだけど。

ほんと何だろうこれ。

しかも1本、またいつものねじれる転び方した(今度は右スキーが落ちるやつ)。また問題の右スキーだけ、ヒールクリップのネジ固くなってた。何なんだ。

最後、まともなジャンプをするのは諦めて、1つだけでも、つくりたい形をつくってこようとした。

1つだけ。アプローチでカンテを見ない(=遠くを見る)だけを確実にやろうとした。

というのも、アプローチで目線が近いと分解するのを思い出して。

頭が下がれば下がるほど、肩は力む = 脚から力が抜ける

カンテではなく、その上の空を見ようとした。

しかしカーブを滑りながら、空のどこを見ていいのか分からなくなり、目線が上下に揺れる。カンテの上の空?もっと上?そこだと上過ぎ?どこ見たらいいんだ!?

滑りながら混乱もした。さらに目線と共に、頭の向きも揺れてたはず。

そして撃沈。

この脚パワー入らない問題は、もう、ジャンプ台では直らないな。

陸上で、全力ベースランニングとか、インターバル(ジョギングxダッシュ)とか。負荷高めの運動をしてみるしかないと思った。あとは登山。不整地の登り下りしたい。

このままだと、もう危なくて飛べない。ケガにつながる。ジャンプを続けられない。


<追記>
脚のパワー、瞬発系はさほど落ちてない。垂直跳びはもともと元々70cmちょっとだったけど、昨日も65cm前後だった。

持続系の力が無くなっている。太ももに力入れようとすると、数秒も持たない。即時に疲れてしまい、全く力が入れられない。

・今回、飛距離としてはK点付近まで飛んでいる。
—>テイクオフパワー(=瞬発系)はさほど落ちてない。

・だめなときは、空中の高いところで分解する
—>持続系がだめ。即時に脚が緩んでる。

前回は空中そんなに悪くなかったから、脚の筋力トレーニング(カカト歩きとか)を、この1週間さぼってたな。

あと、腹筋が弱まってるのかもしれない。

脚に力が入る感覚のときは、お腹を軸にして、そこから出ていく両脚に力を伝えてた記憶がある。

今は、右足、左足がそれそれ単独でいて、真ん中にいるはずの腹筋が感じられない。

闇が深い。


<追記2>
1つだけ、救いがあった。

今回取り組もうと思ってたスタート動作。

結局自分でつくってたイメージはどれも上手くいかず(だからずっと苦手なままなのだが)、

妙高中のシンペイくんにスタートゲート付近で相談したところ、その場で動作つきで教えてくれた。それが良かった。

言葉でも、ディスプレイの映像でも、似たものは見てるし考えてたはずなんだけど、実際目の前で動きで見せてもらえると、やっぱり違う。全然違う。

(手でバーを押して)腰を持ち上げて、そのまま組む。

上半身でも骨盤でも何でもなく、とにかく組む。そのまま組む。腰を持ち上げたら、そのまま組む。

この形ではスタートからの違和感が減って、骨盤がハマりつつある。


<追記3>
テイクオフの方向についての気付き。

テイクオフの方向は、僕は手のひらでコントロール出来る、と分かった。

テイクオフ中に手のひらを下に向けることで、上半身を起こさない、低い飛び出しに矯正できる。

今日の例だと、(空中が不安だから、逃げるように)上半身起きてたけど、この手のひらの使い方をすることで、抱え込む形=上半身を起こさない、低い飛び出しは、出来ることは出来た。

もっとも今日は、その方向に出たら出たで、脚に力入れられなかったので分解するだけだったのだけど。

練習後、登山(脚トレーニング)。もう6年前かな、船木さんと2人で宮の森2往復した思い出あり。

ノーマルヒル。今の空中脚パワーじゃ飛べねえなと思った。

好きな中華屋さんで夕飯(妙高、栄華)。こんな日は大盛りにするのだ。